

化粧品の文脈で「アルコール」と言うと、一般的にはエタノール(エチルアルコール)を指し、成分表示では「エタノール」と書かれます。
一方、成分名に「〜アルコール」「〜エタノール」と付いても、化学構造上そう呼ばれるだけで、性状や役割がエタノールとは異なる場合があります。
代表例として「フェノキシエタノール」は、エタノール(エチルアルコール)とは別の成分で、主に防腐剤として使われます。
「エタノール」は揮発性があり、拭き取り化粧水などで皮脂や汚れを落としやすくしたり、清涼感(スーッとする感覚)を与えたり、成分を溶かして均一に混ぜる目的(可溶化)でも使われます。
参考)化粧品に使われるアルコール
対して「フェノキシエタノール」は“体感を作る成分”というより、製品の変質や微生物汚染を抑えて品質を維持する意図で入ることが多い成分です。
ここで混乱しがちなポイントが「アルコールフリー」の表示です。化粧品業界での「アルコールフリー」は、多くの場合「エタノール無配合」を意味する運用になっており、フェノキシエタノールが入っていても“アルコールフリー表示”と矛盾しないケースがあります。
参考)https://blanminerale.com/blogs/column/what-is-phenoxyethanol
つまり、かゆみが気になる人は「アルコール(エタノール)」と「フェノキシエタノール」を同一視せず、成分表でそれぞれ別に確認するのが実務的です。
✅ ざっくり判定(成分表の見方)
日本の「化粧品基準」では、防腐剤としてのフェノキシエタノールは配合上限が「1.0g/100g(=1%)」と示されています。
この“上限がある”という事実は、無制限に入れてよい成分ではなく、適切な範囲で使う前提
ビソプロロールは選択的β1アンタゴニストで、心拍数を下げて心臓の負担(心筋酸素消費)を軽くする方向に働きます。
(添付文書PDF:ビソプロロールフマル酸塩錠)
この「心拍数を下げる作用」が治療効果につながる一方で、必要以上に心拍数が下がると「徐脈(脈が遅い状態)」として副作用になります。
(添付文書PDF)
徐脈そのものは、単に脈が遅いだけで自覚症状が出ない場合もあります。けれども、次のような症状があると「血流が足りない」「血圧も下がっている」「伝導障害が起きている」など、より注意が必要な状況を疑います。
・めまい、ふらつき、立ちくらみ
・強い倦怠感、だるさ
・息切れ、動くと苦しい
・眼前暗黒感(目の前が暗くなる感じ)、失神しかける
・胸痛、動悸が不規則に出る感じ(房室ブロック等の可能性)
添付文書では、投与初期や増量時に「めまい、低血圧、徐脈」などが起こりやすいので十分に観察し、忍容性(耐えられるか)を確認するよう明記されています。
(添付文書PDF)
また、慢性心不全の患者では投与初期および増量時は入院下で投与することが望ましい、と安全面が強調されています。
(添付文書PDF)
「目安の心拍数」を一律で断定するのは危険ですが、現実の診療では“脈の数字”よりも“症状の有無”“心電図での所見”“基礎疾患(心不全、狭心症、不整脈など)”“併用薬”が重視されます。
特にビソプロロールは、心刺激伝導系を抑制して房室ブロック等を悪化させうるため、もともと徐脈や房室ブロックがある人は注意が必要です。
(添付文書PDF)
ビソプロロールで徐脈や低血圧の症状が出た場合、添付文書では「減量又は投与を中止」「必要に応じアトロピンを使用」と明確に書かれています。
(添付文書PDF)
ただし、ここで誤解が生まれがちなのが「じゃあ危ないから今すぐやめよう」という自己判断です。
添付文書には、β遮断薬(類似化合物プロプラノロール)の例として、急に投与を中止すると狭心症症状の悪化や心筋梗塞を起こした症例が報告されているため、休薬が必要でも「徐々に減量」し、観察を十分に行うよう書かれています。
(添付文書PDF)
つまり、徐脈が疑われても「急に中止」ではなく、原則として医師が心電図や症状を見ながら段階的に調整する、が基本路線です。
(添付文書PDF)
徐脈が強く、完全房室ブロックなどが疑われるような緊急時は、医療機関ではアトロピン硫酸塩水和物、イソプレナリン投与、必要なら心臓ペーシングなどが処置として挙げられています。
(添付文書PDF)
これは「家庭でできる対処」ではなく、危険サインがあるときは受診が必要、という線引きを読者に伝える材料になります。
実際に読者がやるべき行動を、ブログ用に現実的に整理すると次の通りです。
✅ 受診を急いだ方がよいサイン
・失神、意識が遠のく
・胸痛、強い呼吸困難
・脈が極端に遅い感覚+冷汗、顔面蒼白
・めまいが強く日常生活が難しい
➡ これらは「徐脈+循環不全」や「伝導障害」の可能性があり、放置しない方がよい状況です。
(添付文書PDF)
✅ 相談しながら調整すべきケース
・脈が遅いと言われたが症状は軽い
・増量後にだるさ、ふらつきが出た
➡ 早めに処方医へ相談し、用量調整や併用薬の見直し、検査(心電図など)を受ける流れが現実的です。
(添付文書PDF)
このブログ記事の読者は「皮膚のかゆみに悩んでいる人」なので、狙いワードは徐脈でも、“かゆみ”と薬の接点を丁寧に扱う必要があります。
ビソプロロールの副作用として、過敏症の欄に「発疹」、頻度不明として「皮膚そう痒感」が記載されています。
(添付文書PDF)
さらに、ビソプロロール貼付剤(ビソノテープ)の安全性情報では、適用部位の「そう痒感(かゆみ)」が臨床試験で一定頻度報告されており、例として総症例数789例で適用部位そう痒感56例(7.1%)などが示されています。
(ビソノテープ安全性情報)
貼付剤のかゆみは「薬が体に合わない」だけではなく、粘着剤や貼付による刺激・かぶれも関係するため、原因の切り分けが重要になります。
(ビソノテープ安全性情報)
ここで、かゆみに悩む人がハマりやすい落とし穴があります。
それは「かゆみ=皮膚の問題だけ」と思い込んで、内服薬や循環器系の薬を疑わないことです。
しかし、薬剤性のかゆみは皮疹が目立たない形で出ることもあり、降圧薬やβ遮断薬が“かゆみを誘発する可能性がある薬”として紹介されている資料もあります。
(岡山県医師会:皮膚科編資料PDF)
ブログ記事では、次のように読者の行動へ落とし込むと実用的です。
・新しく薬を開始/増量してから、全身のかゆみや発疹が出た
・貼付剤で、貼った場所だけが赤い・かゆい・湿疹っぽい
・保湿や生活改善で改善しない、夜間に強い
➡ 「薬剤性」や「接触皮膚炎」も選択肢に入れ、処方医や薬剤師に“いつから/どの部位に/どの程度”を伝えるのが近道です。
(ビソノテープ安全性情報)
徐脈は「薬が強く効きすぎた状態」とも言えるので、効きすぎやすい条件を知っておくと予防につながります。
添付文書には、長期投与では脈拍・血圧・心電図などの心機能検査を定期的に行い、徐脈や低血圧が出たら減量/中止することが書かれています。
(添付文書PDF)
特に重要なのが「併用薬」です。
ビソプロロールは、ベラパミルやジルチアゼムなど一部のCa拮抗剤、ジギタリス製剤、抗不整脈薬などと併用すると、相加的に心拍数を落として徐脈や房室ブロックが出やすくなる可能性が示されています。
(添付文書PDF)
またフィンゴリモド塩酸塩は、投与開始時に併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがある、と注意喚起があります。
(添付文書PDF)
次に「腎機能・肝機能」です。
添付文書では重篤な腎機能障害や肝機能障害で薬物の排泄/代謝が遅れ、作用が増強するおそれがあると書かれています。
(添付文書PDF)
体の中に薬がたまりやすいと、同じ量でも徐脈やふらつきが出やすくなるため、「検査値(eGFRや肝機能)」「体調変化(食欲低下や脱水)」も含めて主治医が総合的に判断します。
(添付文書PDF)
そして「高齢者」です。
高齢者では徐脈などの心拍数・リズム障害があらわれやすいので、症状が出たら減量/中止し、休薬が必要なら徐々に減量する、と明記されています。
(添付文書PDF)
ここは、家族が薬を管理しているケースも多く、ブログ記事での注意喚起が役に立つ部分です。
検索上位では「徐脈の対処」や「禁忌」「併用注意」が中心になりやすく、かゆみとの関連は“副作用一覧の一部”として流されがちです。
そこで独自視点として、読者の体感から拾える“微妙なサイン”を整理します(断定ではなく、受診相談のヒントとして)。
かゆみが夜に強い人は多いですが、ビソプロロール内服中に「夜間の冷え」「手足の冷感」「だるさ」が同時に目立つ場合、循環が落ちている(血圧低下や徐脈が絡む)可能性もゼロではありません。
添付文書の副作用には、倦怠感、四肢冷感などが挙げられており、徐脈や低血圧と同じ文脈で観察・減量判断が求められています。
(添付文書PDF)
もちろん、かゆみの原因は乾燥、アトピー、接触皮膚炎、肝胆道系、腎機能、ストレスなど幅広く、ビソプロロールだけに結びつけるのは危険です。
ただ、次の“組み合わせ”があるなら、皮膚科だけで完結させず、処方医(循環器/内科)にも同じ情報を渡す価値があります。
・かゆみ+めまい/ふらつき
・かゆみ+脈が遅いと言われた/自分でも遅いと感じる
・かゆみ+息切れ/階段がつらい
・かゆみ+貼付部位の赤み(貼付剤の場合)
➡ こうした複合症状は、薬疹・接触皮膚炎・循環器副作用が“同時に起きている”可能性を示すからです。
(ビソノテープ安全性情報)
最後に、読者が医師・薬剤師に伝えると評価が速くなる「メモ項目」を置いておきます。
📝 受診時メモ(コピペ可)
・ビソプロロールの剤形:錠剤/貼付剤(ビソノテープ)
・用量:何mg、いつから、直近の増量の有無
・脈拍:家庭測定があれば、朝/夜の値
・症状:めまい、ふらつき、息切れ、失神、胸痛の有無
・かゆみ:発症時期、部位、発疹の有無、夜間悪化の有無
・併用薬:Ca拮抗剤(ベラパミル/ジルチアゼム等)、ジギタリス、抗不整脈薬など
これらは添付文書で注意される「徐脈」「房室ブロック」「過敏症」「併用注意」に直結する情報です。
(添付文書PDF)
参考:ビソプロロールの禁忌・徐脈時の減量/中止・併用注意・副作用一覧(皮膚そう痒感含む)がまとまっている
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00070756.pdf
参考:ビソノテープの「適用部位そう痒感」など頻度付き安全性データ(貼付剤のかゆみの説明に使える)
https://med.toaeiyo.co.jp/contents/bisonotape/safety.html