

「顔の赤みがかゆい、でもレーザー治療って高そう…」と思ってませんか?実は毛細血管拡張症のレーザー治療は、診断名が違うだけで費用が3万円以上変わります。
顔の赤みやかゆみに悩んでいる方の多くは、「どうせレーザーは美容扱いで高い」と思い込んでいるのではないでしょうか。ところが、毛細血管拡張症のレーザー治療は、2003年から厚生労働省が保険診療の対象として認定しており、条件を満たせば健康保険が使えます。
保険が適用されるレーザー機器は「Vビーム(パルス色素レーザー)」です。波長595nmのレーザーが血液中のヘモグロビンに選択的に反応し、拡張した毛細血管だけを破壊・収縮させます。周囲の正常な皮膚にはほぼダメージを与えないため、安全性が高い治療法として広く使われています。
ここで重要なのが、「診断名」です。つまりということですね。保険が使えるかどうかは、あなたの症状が何という病名に分類されるかで決まります。
保険適用になる疾患は、厚生労働省が定めた以下の3つのみです。
| 疾患名 | 主な特徴 |
|---|---|
| 毛細血管拡張症 | 鼻・頬の網目状の赤み。かゆみはほとんどない |
| 単純性血管腫 | 生まれつきある赤いあざ(ポートワイン母斑) |
| 乳児血管腫(いちご状血管腫) | 生後数週で発症するいちご状の赤あざ |
逆に、「酒さ」「赤ら顔」「ニキビ跡の赤み」「老人性血管腫」などは保険適用外の自費診療になります。見た目がほぼ同じでも、医師の診断によって費用が大きく変わる点が、この治療の特徴です。
受診は皮膚科または形成外科が窓口になります。「保険でVビームを受けたい」と事前に問い合わせてから予約すると、スムーズに診察が進みます。
参考:毛細血管拡張症の保険適用条件を詳しく解説したページ(大阪梅田形成外科クリニック)
https://osaka-aza.com/telangiectasia-insurance/
保険診療でVビームを受けた場合の費用は、照射する面積(㎠)によって決まります。クリニックごとに値段が変わることはなく、国が定めた診療報酬点数で一律に計算されます。これが原則です。
以下が2024年6月改定後の料金表です。
| 照射面積 | 3割負担 | 1割負担 |
|---|---|---|
| 10㎠以下 | 8,140円 | 2,720円 |
| 20㎠以下 | 9,640円 | 3,220円 |
| 30㎠以下 | 11,140円 | 3,720円 |
| 40㎠以下 | 12,640円 | 4,220円 |
| 50㎠以下 | 14,140円 | 4,720円 |
| 60㎠以下 | 15,640円 | 5,220円 |
| 上限(180㎠) | 33,640円 | 11,220円 |
10㎠というのは、名刺(5.5cm × 9.1cm ≒ 50㎠)の5分の1ほどの面積と考えるとイメージしやすいです。顔の鼻周辺や小さい範囲の頬なら、おおむね10〜30㎠に収まることが多いため、3割負担で1回8,000〜11,000円程度が目安になります。
これに加えて初診料(3割負担で約860円)や再診料(約220〜270円)が別途かかります。1回の総額は1万円前後と考えておけば大丈夫です。
自費診療との差は非常に大きく、酒さや赤ら顔で自費診療になると、同じVビームでも1回3〜5万円が相場です。5回治療するとすれば、保険診療なら総額4〜6万円程度のところ、自費診療では15〜25万円かかることになります。痛いですね。
なお、70〜74歳は2割負担、75歳以上は原則1割負担になるため、高齢の方はさらに費用を抑えられます。また自治体によって子ども医療費助成制度が適用される場合は、ほぼ無料になるケースもあります。お住まいの自治体の窓口で確認するのがおすすめです。
参考:診療報酬点数と自己負担額の詳細(アイシークリニック上野)
https://ic-clinic-ueno.com/treatment/vbeam/column-vbeam-cost-insurance/
「保険で安く受けられるなら、すぐに治せそう」と思う方も多いはずです。ただし、保険診療には治療間隔のルールがあります。3ヶ月(90日)以上の間隔を空けないと、保険が適用されません。これが条件です。
たとえば4月1日に治療を受けた場合、次の保険診療は7月2日以降になります。自費診療であれば2〜4週間間隔で施術できることと比べると、スピード感はかなり異なります。
毛細血管拡張症のVビームに必要な治療回数の目安は、以下のとおりです。
保険診療で3ヶ月ごとに5回治療した場合、トータルの期間は約1年3ヶ月になります。自費診療(月1回ペース)で5回なら5ヶ月で済む計算です。
「早く治したい」という気持ちがある場合、初期は保険診療でゆっくり進め、状態を見ながら自費診療に切り替える選択肢もあります。いずれを選ぶにしても、まず皮膚科で診断を受け、医師と治療計画を相談するのが基本です。
保険診療では1回の上限照射面積が180㎠(はがき1枚分よりやや小さい面積)と定められており、それを超える部分は保険対象外になります。ただし毛細血管拡張症では180㎠を超えることはほとんどないため、実質的に回数制限はなく安心です。
かゆみを伴う顔の赤みを訴える方に意外と知られていないのが、「毛細血管拡張症」と「酒さ(しゅさ)」の診断の違いです。見た目が似ていても、診断名が変わるだけで保険の有無が逆転します。意外ですね。
| 項目 | 毛細血管拡張症(原発性) | 酒さ(赤ら顔) |
|---|---|---|
| かゆみ・ヒリヒリ感 | ほとんどなし | ある(熱感・チクチク感も) |
| 肌のでこぼこ | なし(平坦な赤み) | あり(丘疹・膿疱を伴う) |
| Vビーム保険適用 | ✅ 適用 | ❌ 原則適用外 |
| 自費Vビーム費用 | 適用されれば不要 | 1回3〜5万円 |
| 有効な薬 | レーザーが主体 | ロゼックスゲルなど(保険で処方可) |
重要な点として、酒さでも条件によっては保険診療でVビームを受けられるケースがあります。酒さの症状として毛細血管拡張が認められる場合、保険適用でのVビーム治療が可能と判断する医師もいます。ただし、これはクリニックや医師の判断によって異なります。一律に「酒さ=自費」とは限らないという点は覚えておいてください。
かゆみを感じている場合、毛細血管拡張症よりも酒さの可能性が高いことも事実です。酒さの主な治療薬としては「ロゼックスゲル(メトロニダゾール外用薬)」が保険処方で使えます。レーザーに頼らず、まず保険の処方薬でかゆみと炎症を抑える選択肢も有効です。
受診の際に「かゆみがある」「赤みが出やすい季節がある」など、症状の詳細をメモしておくと、診断の精度が上がります。正確な診断が保険適用の可否を左右するため、症状を正確に伝えることが最大の節約策と言えます。
参考:毛細血管拡張症と酒さの違いを詳しく解説(大阪梅田形成外科クリニック)
https://osaka-aza.com/telangiectasia-rosacea/
実は、どのクリニックを選ぶかによっても、保険診療が受けられるかどうかが変わることがあります。これは多くの方が見落としがちな盲点です。
美容クリニック(美容皮膚科・美容外科)の多くは、保険診療を取り扱っていないことがあります。同じVビームレーザーを使っていても、保険診療の体制を持つクリニックと持たないクリニックがあるのです。美容目的でのVビームは自費のみとしているケースが多く、インターネットで見かける「Vビームで赤み改善」という広告は大半が自費診療です。
一方、「皮膚科」「形成外科」として保険診療を行っているクリニックでは、毛細血管拡張症と診断されれば保険でVビームを受けられます。これが原則です。
受診前に確認しておきたいポイントをまとめました。
なお、同じ皮膚科でも地域によっては保険診療のVビームを持っていない場合があります。「近くて便利」だけで選ぶと、自費診療しかできないと言われることも。まず問い合わせて確認するだけで、数万円単位の差が生まれることがあります。これは使えそうです。
レーザー治療後は、照射直後から数日間、赤みや腫れ、内出血(紫斑)が生じることがあります。内出血は1〜2週間で自然に消えることがほとんどですが、気になる場合はクリニックに相談しましょう。施術後に特に気をつけたいのが紫外線対策で、日焼けをすると色素沈着のリスクが高まります。日焼け止めを毎日塗ることがアフターケアの基本です。
参考:保険適用条件とクリニック選びの解説(皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷)
https://aza-kids.jp/column/bruise/2428/