

顔のかゆみは「皮膚が弱いから」だけでなく、角層のバリアが落ちて外部刺激が入りやすくなることで起こりやすくなります。皮膚表面から水分が逃げる(経表皮水分蒸散:TEWLが増える)と、肌は乾きやすく、結果としてムズムズしたかゆみやヒリつきにつながります。
ワセリン系の保護剤がよく使われる理由は、皮膚表面を油膜で覆って水分蒸散を抑え、乾燥や摩擦などの刺激を減らす働きがあるためです(「外から補う」より「逃がさない」発想)。第一三共ヘルスケアの情報でも、プロペト ピュアベールは皮膚表面をカバーして保護し、肌表面からの水分蒸発を防ぐことが示されています。
特に顔は、マスク・ティッシュ・メガネ・髭剃り(または産毛剃り)など、日常の摩擦イベントが多い部位です。乾燥+摩擦が重なると、赤みやかゆみが「ぶり返す」ように感じることがあります。
参考:製品の特徴(皮膚の表面をカバーし水分蒸発を防ぐ等)
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/content/000100701.pdf
プロペト ピュアベールaは、使用法として「そのままを患部にうすく塗る」ことが基本です。顔に使う場合も、厚塗りより“薄膜”のほうが、テカり・ベタつき・ムレを減らしやすく、結果的に継続しやすくなります。
やり方のコツは「体温でやわらかくして、必要最小限を広げる」ことです。ワセリンの顔への使い方として、少量を手のひらで伸ばしてから優しくなじませ、量が多すぎるとトラブルにつながる場合がある点が解説されています(量は少なく、足りなければ追加の考え方)。
また、第一三共ヘルスケアの案内では「いつものスキンケアの最後に」使う提案があり、スキンケアの“フタ”として使う設計と相性がよいことがわかります。顔のかゆみがある人ほど、化粧水や乳液で整えたあとに、最後にごく薄く重ねるほうが「乾燥→かゆみ」の連鎖を断ちやすいです。
実践手順(顔向け)
参考:部位別の活用(顔、目元・口元など/スキンケアの最後)
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_propeto/
参考:ワセリンの顔への使い方(少量・薄く・こまめに等)
https://www.kenei-pharm.com/baby-waserin-m/column/dry-skin/column9/
「かゆみを抑えたいのに、塗ったらかゆい」ケースはゼロではありません。添付文書・製品情報では、使用後に皮膚の「発疹・発赤、かゆみ」などが出た場合は副作用の可能性があるため、使用を中止し、外箱を持って医師・薬剤師・登録販売者に相談するよう明記されています。
さらに、使用前相談の対象として「薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人」や「湿潤やただれのひどい人」などが挙げられています。顔は皮膚が薄く、炎症が強いときほど刺激を感じやすいため、「保護剤だから安全」と決めつけず、状態に応じて切り替える視点が重要です。
受診・相談に切り替える目安(迷ったら早め)
参考:製品情報(副作用:発疹・発赤、かゆみ/使用中止と相談)
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/propeto_purevail/
参考:添付文書PDF(使用後症状/相談事項など)
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/package_insert/pdf/propeto_purevail_1.pdf
プロペト ピュアベールは「白色ワセリンをさらに精製して不純物を極力カットしたピュアワセリン」で、低刺激性・防腐剤無添加・無着色・無香料といった特徴が示されています。一般的に、顔(特に目元・口元)のようなデリケート部位ほど、より精製度が高いワセリンが選ばれやすい、という実務的な判断がされます。
薬剤師解説サイトでも、プロペト ピュアベールは成分が白色ワセリンのみで、白色ワセリンをさらに精製して不純物をカットしている点が説明されています。言い換えると「効かせる成分を足す」製品ではなく、「余計な刺激要因を減らし、皮膚を守る」方向に寄せた設計です。
意外に見落とされがちなのは、“同じワセリンでも使用感で継続率が変わる”ことです。べたつきが嫌で塗らない日が増えると、結果として乾燥・摩擦のダメージが蓄積し、かゆみが戻りやすくなります(顔のケアほど「続けられる形」が大事)。
参考:製品特徴(高品質ピュアワセリン/不純物を極力カット等)
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_propeto/
参考:ワセリンとプロペトの違い(精製度・不純物カットなど)
https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/vaseline-propet
検索上位の多くは「塗り方」「違い」「副作用」に寄りますが、顔のかゆみが長引く人ほど、“薬や保湿の前に、刺激イベントを可視化する”と改善が早いことがあります。ここでは独自視点として、1週間だけ「摩擦ログ」を取る方法を提案します(お金も道具も不要です)。
例えば、鼻をかむ回数、マスクの着脱回数、洗顔料を使った回数、熱いシャワーを顔に当てた回数、無意識に掻いた回数をメモするだけで、「塗ってるのに治らない」の原因が“塗る以前の負荷”にあると気づけます。第一三共ヘルスケアの資料では、ワセリンが外部刺激(乾燥や衣類の摩擦など)から肌を守ることが述べられており、つまり刺激が強い生活だと“守りの需要”が増えます。
もう一つの意外な視点は「塗るタイミングの最適化」です。第一三共ヘルスケアの記事では、お風呂上がりなど清潔で角質層の水分がある状態で使うと、うるおいを閉じ込めやすいとされています。つまり、摩擦ログで“負荷が上がるタイミング(マスク、ティッシュ、外気乾燥)”を特定し、その直前直後に薄く補修するほうが、ただ朝晩に多めに塗るより合理的な場合があります。
摩擦ログ(コピペ用)
参考:外部刺激から守る(摩擦・乾燥など/水分蒸発を防ぐ)
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/content/000100701.pdf
参考:おすすめの使用シーン(お風呂上がり等でうるおいを閉じ込める)
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/kenko-bijuku/articles/omoikomi/skin-care/
論文(意外ポイント:分子レベルでもバリア関連マーカーに影響が報告)
Petrolatum: Barrier repair and antimicrobial responses in skin(PubMed)