ラクトバチルス・ラムノサスヨーグルトでかゆみを腸から抑える方法

ラクトバチルス・ラムノサスヨーグルトでかゆみを腸から抑える方法

ラクトバチルス・ラムノサス ヨーグルトでかゆみを腸から整える

毎日ヨーグルトを食べているのに、かゆみがまったく改善しないとしたら、選ぶヨーグルトの菌株が違うだけで効果がほぼゼロになっています。


この記事の3つのポイント
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研究報告数が世界No.1の菌

ラクトバチルス・ラムノサス(LGG)は世界で最も研究されているプロバイオティクス乳酸菌で、2017年時点で1,050報以上の論文が存在します。

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腸皮膚軸でかゆみに働きかける

腸内環境の改善が皮膚の炎症やかゆみを抑える「腸皮膚相関(gut-skin axis)」のメカニズムを通じて、LGG菌がかゆみに間接的に作用します。

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アトピー発症率を半分に抑えた実績

フィンランドの臨床試験では、LGG菌を摂取した母親から生まれた子どものアトピー発症率が、摂取しないグループの46%に対して23%と、ほぼ半分に抑えられました。


ラクトバチルス・ラムノサスとは何か——LGG菌の正体と発見の歴史


ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、通称LGG菌は、1985年にアメリカのタフツ大学のS・L・ゴルバッハ博士とB・R・ゴルディン博士によって、健康な成人の腸内から発見された乳酸菌です。名前の「GG」は、2人の研究者の頭文字から付けられています。発見から約40年が経過した現在も、世界で最も研究されているプロバイオティクス乳酸菌として広く知られており、2017年時点で研究論文数が1,050報を超えています。


この菌が特に注目される理由は、胃酸や胆汁酸への耐性の高さにあります。一般的な乳酸菌は消化管を通過する過程で大半が死滅してしまいますが、LGG菌は生きたまま腸まで到達できます。これが可能なのは、菌の表面に「ピリ(Pili)」と呼ばれる線毛があるためで、乳酸菌の中でこの線毛の存在が確認された初めての例です。腸の粘膜細胞にこの線毛でくっつき、他の乳酸菌と比べて長く腸内にとどまることができます。ツルッとした表面の一般的な乳酸菌とは違い、いわば「ボサボサな毛でがっちりしがみつく菌」というイメージです。


日本でLGG菌が広く知られるようになったきっかけは、タカナシ乳業が1996年に発売した「おなかへGG!」というヨーグルトです。この商品は、乳酸菌を関与成分とする日本初の特定保健用食品(トクホ)として認定され、当時大きな話題になりました。現在、LGG菌を配合した商品は世界40カ国で販売されています。


つまり、ラクトバチルス・ラムノサス(LGG)が特別なのは「生きたまま届く×腸に長くとどまる」というダブルの特性です。




かゆみとの関係についても触れておくと、アレルギー患者の腸内を調べた研究(Bjorksten et al., 1999)では、アレルギーのある人ほどラクトバチルス菌が少ないことが確認されています。腸内細菌叢のバランスが崩れていることが、アレルギー症状やかゆみの悪化に関わっている可能性が示唆されているのです。


参考:LGG菌の概要と研究実績について(タカナシ乳業公式)
おしえて!LGG®乳酸菌〜研究報告数世界No.1のLGG乳酸菌(lgglab.jp)


ラクトバチルス・ラムノサスヨーグルトがかゆみを抑える「腸皮膚軸」の仕組み

「ヨーグルトを食べてもどうせ腸が良くなるだけで、皮膚のかゆみには関係ないだろう」と思っていませんか? 実は、腸と皮膚は「腸皮膚相関(gut-skin axis:ガット・スキン・アクシス)」と呼ばれるメカニズムで深くつながっています。これは近年の研究で注目されている新しい概念で、腸内環境が皮膚の状態に直接影響することが明らかになっています。


仕組みを簡単に説明すると、腸内で悪玉菌が増えると、腸のバリア機能が低下して炎症物質が血液中に漏れ出します。その炎症シグナルが皮膚にまで届くことで、かゆみや肌荒れを引き起こします。便秘が続くと肌が荒れるというのは昔から知られていますが、その裏側にはこのメカニズムがあります。逆に、ラクトバチルス・ラムノサスのような善玉菌が腸内で優勢になると、腸内のpHが弱酸性に保たれ、悪玉菌の増殖が抑えられます。


結論は「腸を整えると、皮膚のかゆみにも波及効果がある」ということです。


特に注目すべきは、アレルギー患者の腸内にはラクトバチルス菌が少ないというデータです。日本乳業協会の研究発表資料(Bjorksten et al.、Clin Exp Allergy, 1999)では、アレルギーを持つ子どもの腸内は、アレルギーのない子どもと比べてラクトバチルス菌が顕著に少ないことが示されています。腸内環境の乱れとアレルギー増加は、単なる相関ではなく因果関係を持つ可能性が高いと研究者たちは考えています。




もう一つ重要なポイントが、免疫システムの調整です。腸は体の免疫細胞の約70%が集まる「最大の免疫器官」と言われています。LGG菌がパイエル板(腸管免疫の要所)に取り込まれると、IgA抗体の産生量が対照群と比較して有意に高まります。これは、腸管が外部のアレルゲンに対してより強い防御態勢を整えることを意味します。かゆみの根本にある免疫の過剰反応を、根っこから落ち着かせていくイメージです。


腸皮膚相関の研究についての詳細は以下のページで確認できます。


皮膚腸相関(skin-gut axis)|用語集 - 腸内細菌学会(bifidus-fund.jp)


ラクトバチルス・ラムノサスヨーグルトとアトピー——発症率を半分にした臨床データ

データで語るのが一番説得力があります。フィンランドで行われた臨床試験(Kalliomaki et al.、The Lancet 357、2001年)は、LGG菌とかゆみ・アトピーの関係を世界に広く知らしめた画期的な研究です。権威ある医学誌『ザ・ランセット』に掲載されたことで、世界中の研究者から注目を集めました。


研究の方法はこうです。アトピー性皮膚炎の家族歴がある妊婦159名を2グループに分け、片方にはLGG菌入りカプセルを、もう片方にはプラセボ(偽薬)を摂取してもらいました。摂取期間は出産の1〜4週間前から、授乳中の6カ月後まで。その後、子どもが2歳・4歳・7歳になった時点でのアトピー発症率を比較したのです。


結果は驚くべきものでした。


| 年齢 | LGG摂取グループ | 非摂取グループ |
|------|-----------------|----------------|
| 2歳時 | 23%(64人中15人) | 46%(68人中31人) |
| 4歳時 | 26% | 46% |
| 7歳時 | 43% | 66% |


2歳時点でアトピーの発症率がほぼ半分になっています。これは「どんな医薬品でも成し遂げられていなかった予防効果を、乳酸菌という食品が実現した」という点で、研究者たちに大きな衝撃を与えました。この研究以降、2015年までに同様の研究が世界で17件行われています。各研究のデータを統合すると、LGG菌の摂取によってアトピー性皮膚炎の発症リスクが約2割低下するとされています。


かゆみに関しても、タカナシ乳業とクリスチャン・ハンセン社が実施した二重盲検プラセボ対照試験(日本農芸化学会2018年度大会発表)では、LGG菌を1日140億個含む食品を4週間摂取した結果、皮膚の角層水分量が有意に改善し、経表皮水分蒸散量(皮膚から水分が逃げる量)も抑制されました。皮膚のバリア機能が弱まることでかゆみが起きやすくなるため、この保湿改善の効果は非常に意義深いものです。


意外ですね。スキンケアの話ではなく、腸から飲むだけで皮膚バリアが改善されるのです。


参考:タカナシ乳業によるLGG菌摂取と肌改善の研究報告
プロバイオティクス乳酸菌の摂取が健常成人の腸内細菌叢に影響を及ぼし、肌の状態を改善させる(タカナシ乳業/PDF)


ラクトバチルス・ラムノサスヨーグルトの選び方と効果的な食べ方

LGG菌の効果を最大限に引き出したいなら、選ぶ商品と食べ方の2つにこだわる必要があります。まずは商品選びから確認していきましょう。


🏷️ 商品選びのポイント


「ヨーグルトならどれでも同じ」というのは大きな誤解です。LGG菌(ラクトバチルス・ラムノサスGG株)が入っているかどうかは商品によって異なるため、必ずパッケージの成分表示を確認してください。国内で入手しやすいLGG菌含有商品の代表例としては、タカナシ乳業の以下の商品が挙げられます。


- タカナシ「ヨーグルトおなかへGG!」 : 日本初の乳酸菌を関与成分とするトクホ認定品。固形タイプで食べやすく、スーパーでも入手可能。


- タカナシ「おなかへ届く乳酸菌(顆粒タイプ)」 : 1本あたり200億個のLGG菌配合の機能性表示食品。ヨーグルトが苦手な方でも摂取しやすい。


- タカナシ「ドリンクヨーグルトおなかへGG!」 : 飲み切り100mlで手軽に摂取できるトクホ認定品。


目安は「1日100g(固形タイプ)」または「1日1本(ドリンクタイプ)」です。1日1個を習慣にすれば問題ありません。


⏰ 食べるタイミング


LGG菌の吸収効率を高めるには、食後が基本です。空腹時は胃酸の濃度が高くなっており、菌が生きたまま腸に到達するまでの難易度が上がります。LGG菌はもともと胃酸耐性が高い菌ですが、それでも食後のほうが胃の中が食べ物でバッファーされている分、より多くの菌が腸まで届きやすくなります。


また、腸のゴールデンタイムは夜22時〜翌2時と言われており、腸が最も活発に活動するのは起床から15〜19時間後とされています。夕食後にヨーグルトを食べる習慣をつけることで、腸の活動が活発な時間帯により多くのLGG菌が腸内で働きやすくなります。


🌡️ 温度に注意


乳酸菌は50℃以上の温度になると菌が死滅します。ヨーグルトを温めて食べる場合は、40℃程度(ひと肌程度)を目安にしてください。電子レンジで加熱する際は、長時間かけすぎないよう注意が必要です。


🔄 継続期間の目安


腸内細菌のバランスが変化するには、一定の継続期間が必要です。タカナシ乳業の研究では4週間の摂取で腸内細菌叢の変動と肌状態の改善が確認されています。最低でも1ヶ月は継続して摂取することで、より実感しやすくなります。かゆみの改善が目的であれば、あわせて食物繊維やオリゴ糖を含む食品を組み合わせると、LGG菌のエサとなるプレバイオティクス効果が期待できます。これが条件です。


ラクトバチルス・ラムノサスヨーグルトを選ぶ際の「見落とされがちな注意点」

LGG菌入りヨーグルトはかゆみや腸活に有効ですが、誰にでも万能というわけではありません。知っておくべき注意点が存在します。これは「知らないと損する」情報です。


⚠️ 牛乳・乳製品アレルギーがある場合は要注意


LGG菌の恩恵を受けるどころか、ヨーグルト自体がかゆみを悪化させる原因になりえます。ヨーグルトに含まれるカゼイン(牛乳タンパク質の約80%を占める主成分)は、加熱しても発酵させても分解されにくい性質を持っています。牛乳アレルギーのある方では、ヨーグルトを食べることでアレルギー反応が起き、かゆみが増すリスクがあります。現在かゆみが気になっている方は、自分が乳製品アレルギーを持っていないか、一度確認するのが安全です。


⚠️ LGG菌が含まれていないヨーグルトを選ぶと効果がない


菌株が違えば効果は別物です。同じヨーグルトでも、配合されている菌株がビフィズス菌だったり、ラクトバチルス・ブルガリクスだったりする場合は、アトピーや皮膚の炎症抑制に関するエビデンスは少なくなります。LGG菌(Lactobacillus rhamnosus GG)という表示があるものを選ぶことが重要です。


⚠️ 糖分の多いフルーツヨーグルトは逆効果になりやすい


市販のフルーツヨーグルトや加糖タイプのヨーグルトは、砂糖の含有量が多く、腸内の悪玉菌を増やす可能性があります。かゆみ改善のために腸活を目的とするなら、砂糖を加えていないプレーンタイプ、または無糖タイプを選んでください。甘みをつけたい場合は、オリゴ糖シロップを少量加えるのがおすすめです。オリゴ糖はLGG菌のエサとなるため、菌の活性化にも役立ちます。


⚠️ 他の薬との相互作用


抗生物質を服用中の場合、抗生物質が腸内の善玉菌も含めた菌を殺菌する可能性があります。この期間中はLGG菌の効果が十分に発揮されないことがあります。抗生物質の服用が終わってから腸活を再開するか、少なくとも抗生物質の服用時間と2〜3時間ほどずらしてヨーグルトを摂ることが推奨されています。体の状態に不安がある場合は、医師や薬剤師に相談してください。


これは使えそうです。ヨーグルトを選ぶだけでなく、「何をしてはいけないか」を知っておくことが、かゆみ改善の近道になります。


参考:アトピー性皮膚炎と腸内細菌の整え方について
アトピー性皮膚炎と腸内細菌の整え方|アルバアレルギークリニック(alba-allergy-clinic.com)




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