ロジンとかゆみ 接触皮膚炎 パッチテスト

ロジンとかゆみ 接触皮膚炎 パッチテスト

ロジンとかゆみ

この記事の概要
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ロジンが「かゆみ」を起こす理由

ロジンは皮膚感作(アレルギー性のかぶれ)に関わりうる物質として扱われ、合わない人では接触部位に湿疹・かゆみが出ることがあります。

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身近な製品にある

化粧品、接着剤、ワックス、インク、塗料、滑り止めなど「用途が広い樹脂」なので、思い込みで見落としやすいのが難点です。

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パッチテストで確かめる

遅れて出るタイプの反応を調べる検査で、ロジン(精製松脂)を含む複数項目を一度に確認できる施設もあります。

ロジンの接触皮膚炎とかゆみ 症状の出方

 

皮膚のかゆみが「同じ場所に繰り返し出る」「特定の製品を使った後に悪化する」なら、乾燥や汗だけでなく接触皮膚炎を疑う価値があります。
ロジンはコロホニウム(コロホニー)とも呼ばれ、皮膚の感作(アレルギー化)に関わりうる物質として分類されることがあります。厚生労働省のGHS分類に基づく安全データでは、ロジンは皮膚感作性が「区分1A」とされ、「アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ」がある旨が記載されています。
このタイプの反応のやっかいな点は、「触れてすぐ」ではなく、時間が経ってから赤み・湿疹・かゆみが強くなることがある点です。しかも、いったん感作が成立すると、少量の接触でも再燃しやすくなり、原因が分からないまま“皮膚が弱くなった”と誤解されがちです。
発症パターンを整理すると、次のような見え方になりやすいです。

 

・接触部位に一致して、かゆみ→赤み→ブツブツ→じゅくじゅく(人により順不同)
・一度落ち着いても、同じ製品・同じ作業で再発
・皮膚が薄い部位(まぶた、首、手指の側面など)や、摩擦・密閉が起きる部位で悪化しやすい
「塗った場所と違うところがかゆい」ケースもあります。たとえば手指が原因物質に触れ、顔を触ることでまぶたに症状が出るなど、二次的な移動で症状が“飛んだ”ように見えることがあるためです。ここを見誤ると、いつまでも原因製品にたどり着けません。

 

ロジンの用途 化粧品 接着剤 ワックスの注意点

ロジンは松由来の樹脂で、粘着性・被膜形成・滑り止めなど、製品づくりに便利な性質を持つため、想像以上に多用途です。パッチテストの解説を行う皮膚科クリニックの情報でも、ロジン(精製松脂)は「インク、ニス、塗料、ワックス、化粧品、接着剤、滑り止め」などに関わる可能性が示されています。
つまり、皮膚のかゆみに悩んでいる人がロジンを避けようとしても、「化粧品だけ」「薬だけ」では逃げ切れないことがあります。具体的には次のような“生活導線”で潜みやすいです。

 

・化粧品:ベースメイクやポイントメイクだけでなく、まつ毛・目周りの製品で接触しやすい
・接着剤:ネイル、つけまつ毛、テープ類、DIYや梱包での接触
・ワックス/樹脂加工:床・家具・革製品の手入れ、コーティング剤、作業用製品
・インク/塗料:印刷・画材・工業用途(職業性の要因になりやすい)
・滑り止め:スポーツや楽器演奏など、粉や樹脂に触れる機会
さらに盲点になりやすいのが「直接皮膚に塗るもの以外」です。ロジンは塗料原料、インキ、ゴム接着剤、紙のサイズ用など幅広い用途が挙げられており、製品の“成分表示”だけでは追いきれない場面もあります。

 

ここで大事なのは、かゆみ対策を「保湿」だけに固定せず、生活の中の接触ポイントを棚卸しすることです。

 

・かゆい場所を中心に、48時間以内に触れたものをメモ
・肌に触れる頻度が高いもの(手袋、テープ、道具の柄、化粧道具)から疑う
・“最近変えた物”がなくても、累積曝露で突然発症することがある点を前提にする

ロジンのパッチテスト 精製松脂 検査の流れ

「ロジンが原因かもしれない」を自己判断で確定させるのは危険です。似た症状を起こす要因(香料、金属、ゴム、薬剤、防腐剤など)が多く、当てずっぽうの除去は生活が不便になるだけで原因が残りやすいからです。
そこで有効なのがパッチテストです。皮膚科クリニックの説明では、パッチテストは遅発型の反応に関わる疾患が疑われる場合に行い、接触後24〜48時間で赤みやかゆみが出るタイプの評価として用いられるとされています。

 

また、同クリニックが扱うパッチテスト項目の例として「ロジン(精製松脂)」が挙げられ、関連する使用場面としてインク、ニス、塗料、ワックス、化粧品、接着剤、滑り止め(ロジンバッグ)などが示されています。

 

検査の流れは施設で多少違いますが、一般的な考え方としては次のように理解するとスムーズです。

 

・背中や上腕に、疑うアレルゲンを含む試薬を貼付
・48時間後に一度判定し、72〜96時間後にも再判定する(遅れて出る反応を拾う)
・場合によっては1週間後まで経過を確認することがある
注意したいのは、「貼っている最中にかゆい=陽性」とは限らない点です。テープ刺激や汗、摩擦でもかゆくなることがあります。逆に、48時間では目立たず、数日後に反応が強くなる人もいます。

 

だからこそ、自己流で途中ではがしたり、検査前後に強い外用薬を自己判断で重ねたりせず、医師の指示に合わせることが精度面で重要です。

 

参考:パッチテストでロジン(精製松脂)を含む項目例や判定の流れ(48時間・72〜96時間・1週間後の確認)
https://hiromi-clinic.jp/15581669618589

ロジンの成分名 コロホニウム 表示の見抜き方

ロジンは別名が多く、成分表示の「読み替え」が必要になることがあります。厚生労働省の安全データでも英語名として Rosin / Colophony / Gum rosin などが併記されており、同じ系統を指す語が複数あることが分かります。
つまり、表示上は「ロジン」と書かれず、コロホニウム、コロホニー、英語表記などで紛れ込む可能性があります。
見抜き方の実務としては、次の3段階が現実的です。

 

①製品の外箱・成分欄を撮影して保存(後で医療者に見せられる)
②日本語名と英語名の両方で確認(ロジン、コロホニウム、Colophony、Rosinなど)
③「樹脂」「粘着」「被膜」「滑り止め」「ワックス」「インク」系の用途がある製品を重点的に疑う
特に、かゆみが手に出ている人は“触る回数が多いもの”を優先すると近道です。スマホケース、作業用手袋、梱包材、テープ、文具、趣味の道具など、皮膚への接触が反復する対象ほど、症状が慢性化しやすいからです。

 

また、職業や趣味での曝露は「毎日少しずつ」が積み上がるため、本人が原因だと思いにくい傾向があります。ロジンは塗料原料やインキ、ゴム接着剤など用途が挙げられているため、作業環境の中で“空気中の粉じん・煙”として問題になるケースも意識しておくと安全です。

 

参考:ロジンの別名(Colophony など)、用途(塗料原料・インキ等)、感作性(区分1A)などの安全情報
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/8050-09-7.html

ロジンとかゆみ 独自視点「再発トリガーの記録術」

検索上位の多くは「ロジンとは」「パッチテスト」「どの製品にあるか」で止まりがちですが、かゆみに悩む人が本当に困るのは“再発のループ”です。ここでは独自視点として、診断や特定を早めるための「記録術」を提案します。
ポイントは、原因物質の特定を“気合い”ではなく、ログ設計で支援することです。やることはシンプルで、1〜2週間だけでも十分に差が出ます。

 

・症状ログ:部位/かゆみの強さ(10段階)/赤み/ジュクジュクの有無
・接触ログ:その日使った新規・久々の製品(化粧品、テープ、接着剤、ワックス、洗剤、手袋など)
・環境ログ:汗をかいた、長時間のマスク、手洗い増、消毒増、睡眠不足など
・写真ログ:同じ距離・同じ明るさで撮る(比較できる)
このログが効く理由は2つあります。

 

1つ目は、遅発型の反応は「原因に触れた日」と「ピークの日」がズレるため、記憶だけだと関係が切れてしまうからです。

 

2つ目は、医療機関で説明するときに、口頭よりも写真+時系列の方が圧倒的に伝わりやすく、パッチテスト項目の選び方にも影響しやすいからです。

 

さらに、ロジンを疑う人向けの“実装上のコツ”を挙げます。

 

・「手→顔」の移動を疑う:手指の湿疹が軽くても、まぶたが強く出ることがある
・「道具の持ち手」を疑う:柄、グリップ、滑り止めはロジン系用途と相性が良い
・「治った直後の再曝露」に注意:炎症が落ち着いた直後はバリアが弱く、少量曝露で再燃しやすい
最後に、危険サインも明記します。ロジンは皮膚だけでなく呼吸器感作性が「区分1A」とされる情報もあり、咳・喘鳴・息苦しさなどが絡む場合は自己判断で放置せず、早めに受診して下さい。肌のかゆみの話に見えて、生活環境や作業環境の見直しが必要なケースが混ざるためです。

 

 


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