

皮膚のかゆみに悩んでいる人が「高尿酸血症 薬 一覧」を調べるとき、最初に押さえたいのは“薬の分類”です。尿酸を下げる薬は、作用の狙いどころで大きく分かれ、代表格は「尿酸生成抑制薬(キサンチンオキシダーゼ阻害)」と「尿酸排泄促進薬」、そして比較的新しい枠として「選択的尿酸再吸収阻害薬(SURI)」が語られます。SURIとしてドチヌラド(ユリス)が位置づけられている点は、ガイドライン追補でも整理されています。
ここでは“薬の名前を丸暗記”するより、「どのタイプの高尿酸血症(排泄低下型・産生過剰型など)を疑うか」「腎機能は落ちていないか」「尿路結石の既往はあるか」を先に考える方が、皮膚症状の不安も含めて合理的です。尿酸排泄を増やす薬は尿路結石リスクとの兼ね合いが出やすく、生成抑制薬は別の注意点(過敏症など)が話題になりやすい、という“地図”ができます。
参考)尿酸降下薬の種類と作用機序(ザイロリック、フェブリク、トピロ…
代表的な薬の枠組み(一般名ベース)
・尿酸生成抑制薬(XOR阻害薬)
・アロプリノール
参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00059926.pdf
・フェブキソスタット
参考)医療用医薬品 : フェブキソスタット (フェブキソスタットO…
・トピロキソスタット
参考)https://kounyousan.jp/assets/pdf/under6/TPR20226B.pdf
・尿酸排泄促進薬(非選択的尿酸再吸収阻害など)
・ベンズブロマロン
参考)ベンズブロマロンによる劇症肝炎について(緊急安全性情報)
・SURI(選択的尿酸再吸収阻害薬)
・ドチヌラド(ユリス)
参考)https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00476_supplementary.pdf
「皮膚のかゆみ」がある人にとって厄介なのは、かゆみが“高尿酸血症そのもの”の症状として目立つというより、生活要因(乾燥、発汗、入浴、衣類刺激)や、薬の副作用・薬疹など複数要因で起こり得る点です。つまり、薬を飲んでいる最中にかゆみが強くなった場合、「たまたま乾燥が悪化した」可能性と「薬の影響」の両方を同時に疑う必要があります。
たとえばフェブキソスタットの副作用情報には、皮膚の「発疹、そう痒症、紅斑」などが挙げられています。皮膚症状が“軽いかゆみ”で済むケースもあれば、全身性皮疹など過敏症として扱うべきケースもあり、自己判断で我慢して飲み続けるのはリスクになります。
参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00070229.pdf
また、アロプリノールは重篤な皮膚障害(SJS/TENなど)が添付文書でも注意喚起され、PMDAの資料でもアロプリノール投与後にStevens-Johnson症候群が疑われた症例経過が紹介されています。かゆみ→発疹→粘膜症状という流れは「ただの肌荒れ」と紛れやすいので、皮膚症状が“広がる・痛い・発熱・口や目がしみる”などを伴う場合は急ぎの受診が必要です。
参考)https://www.pmda.go.jp/files/000144829.pdf
・かゆみがあるときのチェック(目安)
・✅ いつから:薬の開始・増量の何日後か
・✅ 広がり:局所か全身か、急に増えたか
・✅ 併発:発熱、目の充血、口内炎、皮膚の痛み(かゆみより痛みが強い)
・✅ 生活要因:乾燥・汗・入浴剤・洗剤変更・衣類摩擦
皮膚のかゆみがある人が見落としやすい“意外な接点”が、肝機能障害と皮膚症状です。かゆみは皮膚だけの問題に見えますが、薬剤性の肝障害などが起きると、全身倦怠感や食欲低下、黄疸(皮膚や白目が黄色い)などと一緒に、皮膚の違和感として気づくこともあります。患者向け情報でも、肝機能障害のサインを具体的に示して注意喚起する資料があります。
代表例としてベンズブロマロンは、劇症肝炎など重篤な肝障害が投与開始後6か月以内に主に発現しているとして、少なくとも6か月間の定期的な肝機能検査を行うこと、症状が出たら中止して受診することなどが緊急安全性情報として注意喚起されています。皮膚のかゆみの相談で来院した人でも、背景に「肝機能検査のフォローが途切れていた」というケースは起こり得るため、“一覧で薬名を知る”だけで終わらせないのが重要です。
参考)https://www.pmda.go.jp/files/000143908.pdf
一方で、生成抑制薬側も肝機能検査値異常が副作用として挙がり得るため、「どの薬なら肝臓が絶対に安全」という単純な話にはなりません。だからこそ、薬の選択は“かゆみの有無”だけでなく、肝機能・腎機能・併用薬・既往歴のセットで決まります。
・肝機能と関連して受診を急ぎたいサイン
・✅ 食欲不振、強いだるさ、吐き気
・✅ 皮膚や白目が黄色い、尿が濃い
・✅ かゆみに加えて発熱や全身状態悪化がある
・✅ 服薬開始から半年以内(特にベンズブロマロン)
「薬一覧」で抜けがちなのが、相互作用(飲み合わせ)です。とくに尿酸生成抑制薬(XOR阻害薬)は、免疫抑制薬アザチオプリンなどとの相互作用が問題になり得て、重篤な骨髄抑制につながる可能性が議論されています。日本語の論文要旨でも、この相互作用の機序や臨床上の危険性が整理されています。
ここが“意外な落とし穴”で、肌のかゆみをきっかけに市販薬(かゆみ止め)やサプリを追加したり、別の診療科で処方が増えたりすると、元の高尿酸血症治療薬との関係が見えにくくなります。薬疹や原因不明の皮膚症状に見えて、実は「併用薬の組み合わせ」が背景にある可能性があるため、受診時には“薬の実物”や“お薬手帳”で全部見せるのが結局いちばん早いです。
参考)<b>アザチオプリンとアロプリノールの併用は禁忌とすべきでは…
また、薬の開始・増量タイミングでは痛風発作が誘発されることがあり、発作予防としてコルヒチンを併用する(いわゆるコルヒチンカバー)という考え方も紹介されています。皮膚症状の不安がある人ほど「発作が怖いから自己調整してしまう」流れに入りやすいので、予防策を医師と相談し、勝手に中断しない設計にすることが重要です。
参考)https://kounyousan.jp/crosstalk/005.html
・相互作用で“必ず申告したい”情報
・✅ 免疫抑制薬(例:アザチオプリン)
・✅ 抗がん剤、抗ウイルス薬など核酸代謝に関わる薬
・✅ 皮膚科で追加された内服(抗ヒスタミン、ステロイド等)
・✅ OTC薬・漢方・サプリ(開始日も)
検索上位の「高尿酸血症 薬 一覧」は、薬名と分類で終わりがちですが、皮膚のかゆみに悩む人向けには“観察のコツ”まで落とし込むと実用性が上がります。おすすめは、尿酸値の数字だけでなく「かゆみのスコア」と「皮疹の写真」を同じタイムラインで残す方法です(例:就寝前に10段階評価+腕・体幹の同じ場所を撮影)。こうすると、薬の開始・増量、季節(乾燥)、入浴剤変更、飲酒、発汗など、複数要因が絡む中でも“悪化の引き金”を特定しやすくなります。
さらに“あまり語られにくい盲点”として、尿酸排泄が増えるタイプの薬では、投与初期に尿酸排泄量が増大し尿路結石リスクが問題になり得るため、尿が酸性のときは注意が必要だとされています。皮膚のかゆみとは一見関係なさそうですが、夜間の痛み・血尿・背部痛などで睡眠が乱れると、皮膚のバリア機能や掻破(かいて悪化)につながり、かゆみがさらに悪化する、という“生活の連鎖”が起き得ます。体のトラブルを点で見ず、線でつなぐと対策が立てやすいです。
参考)医療用医薬品 : ユリス (ユリス錠0.5mg 他)
・かゆみがある人のセルフメモ(診察が速くなる)
・✅ 高尿酸血症の薬の開始日・増量日
・✅ かゆみ(0〜10)と睡眠の質
・✅ 発疹の部位・広がり(写真)
・✅ 入浴剤・洗剤・柔軟剤・衣類素材の変更日
・✅ 飲酒日、運動で汗をかいた日
皮膚症状は「様子見でいいもの」と「急ぐべきもの」の差が大きい分野です。特にアロプリノールでは重篤な皮膚障害が注意喚起され、PMDA資料でも具体的な症例が示されています。かゆみが強い、発疹が急に広がる、発熱や粘膜症状を伴う、皮膚が“痛い”などがあれば、自己判断での継続・中断ではなく、処方医(夜間なら救急も含む)へ早めに相談してください。
高尿酸血症・痛風の診療の枠組み(ガイドライン情報の入口、推奨やCQの整理)。
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 - Mindsガ…
参考)高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 - Mindsガ…
ベンズブロマロンの重篤な肝障害と定期的な肝機能検査(投与開始6か月以内が中心、患者指導の要点)。
ベンズブロマロンによる劇症肝炎について(緊急安全性情報)
医薬品による重篤な皮膚障害の早期発見(アロプリノールでのSJS症例経過の具体例)。
https://www.pmda.go.jp/files/000144829.pdf