善玉コレステロール多いとかゆみ対策

善玉コレステロール多いとかゆみ対策

善玉コレステロール 多い かゆみ

この記事でわかること
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「善玉コレステロール 多い」が意味する範囲

HDLが高い理由は体質・飲酒・病気など幅広く、数値だけで安心はできません。

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皮膚のかゆみと血液検査のつながり

胆汁うっ滞など「全身の病気」がかゆみとして出ることがあり、早めの見極めが重要です。

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セルフチェックと受診の目安

危険サイン(黄疸・尿や便の色の変化など)がある場合は、皮膚科だけでなく内科視点も必要です。

善玉コレステロール 多い 原因と検査値の見方

 

健康診断で「善玉コレステロール(HDL)が多い」と言われると、一般には“良いこと”の印象が強いはずです。実際、HDLは血管内に付着する脂肪分を取り除く働きがある、と説明されています。参考として日本医師会の解説でも、HDLは「善玉」とされ、低いと心筋梗塞や脳梗塞などのリスクにつながる旨が示されています。
ただし、ここで重要なのは「低いのは困る」と「高いほど無条件に良い」は別問題という点です。近年は、HDLが極端に高いケースで、死亡リスクや疾患リスクと“U字型”の関係が示唆される報告もあり、「高すぎ」も含めた読み解きが必要だと言われています。
まず“原因”は大きく分けて、体質(遺伝)・生活習慣(特に飲酒)・薬剤や病気などが候補に挙がります。たとえば、CETP(コレステリルエステル転送蛋白)欠損症ではHDLが著明に増加することが知られており、難病情報センターの解説でも、HDLが著明高値になり得ること、そして飲酒がCETPに影響する後天的因子として示されています。

 

また、生活習慣のうち「飲酒はHDLを上げうる」ことは疫学的にもよく知られています。国内の研究紹介でも、喫煙はHDLを下げ、飲酒は上げる方向で関連することが述べられています。ここで誤解しやすいのが、「だからお酒でHDLを上げればいい」という短絡です。HDLが高くなる理由が“適量の生活改善”なのか、“慢性的な大量飲酒”や“別の病気”なのかで、意味合いが変わってしまうためです。

 

検査値の読み方としては、HDL単体の“高い・低い”だけでなく、LDLや中性脂肪(TG)、可能ならNon-HDLなども含めて全体像で見ることが基本になります。脂質の管理目標については、生活習慣病予防の情報として、HDLは40mg/dL以上、中性脂肪は150mg/dL未満などが示されています。

 

さらに、同じHDL高値でも「血圧」「飲酒の影響」など背景因子で解釈が変わる可能性が指摘される報告もあるため、“数字の見た目”だけで判断しない姿勢が安全です。

 

善玉コレステロール 多い 高すぎるときのリスク(U字型)

善玉(HDL)は一般に動脈硬化リスクと逆相関する、と語られることが多い一方で、極端な高値では「むしろリスクが上がるかもしれない」という論点が存在します。医療者向けの解説でも、HDLと心血管イベントリスクがU字型になり、疫学研究で極端な高値でイベントリスク上昇が報告されている、という趣旨が述べられています。
さらに近年のニュースベースでも、HDLが高い群で全死因死亡率がU字型関連を示したり、心疾患リスクが低い面があっても出血性脳卒中リスク増加と関連した可能性が示されたりと、「善玉=多いほど絶対安心」では説明しきれない情報が出ています。

 

ここで大切なのは、読者が自分で“怖がる”ことではなく、検査結果を見たときに「高くて良かった」で止めず、背景を確認する視点を持つことです。

 

「高すぎ」の背景に、慢性的な大量飲酒が隠れているケースもあります。難病情報センターのCETP欠損症解説でも、慢性大量飲酒がCETP蛋白や活性を低下させることが明らかになっている、とされています。つまり、HDL高値の“見た目の良さ”が、実は別の健康リスク(飲酒関連疾患など)と共存している可能性もあるわけです。

 

このため、善玉コレステロールが多いと言われたら、最低限チェックしたい観点は次の通りです。

 

・HDLの高さが「以前から体質的に高い」のか、「最近急に上がった」のか
・LDLやTG、肝機能など、他の検査項目も一緒に動いていないか
・飲酒量が増えていないか(“適量”を超えていないか)
・皮膚症状(かゆみ)、黄疸、尿・便の色の変化など“別ルートの異常”がないか

善玉コレステロール 多い 皮膚のかゆみ(胆汁うっ滞)

皮膚のかゆみは乾燥や湿疹など皮膚そのものの問題が多い一方で、全身性の原因として「胆汁うっ滞」が関係することがあります。MSDマニュアル家庭版では、胆汁うっ滞で皮膚のかゆみが生じ、尿の色が濃くなったり、便の色が薄くなって悪臭がすることがある、といった症状が説明されています。
つまり、「皮膚だけの問題」に見えても、体内の胆汁の流れや肝胆道系の異常が関係していることがある、ということです。
胆汁うっ滞でなぜかゆみが起きるのかは、一般向けにも「胆汁成分が体内に増えることでかゆみが生じる」という形で解説されています。加えて、研究機関の発表では、胆汁うっ滞によるかゆみの原因物質の一つとしてリゾフォスファチジン酸(LPA)と受容体(TRPV1/TRPA1)を介した機序が示された、という情報もあります。こうした背景を知っておくと、「ただの乾燥ではないかも」という判断がしやすくなります。

 

そして、ここが今回の狙いワードと“皮膚のかゆみ”をつなぐポイントです。胆汁うっ滞や胆道系の疾患では、脂質異常が一緒に見つかることがあります。たとえば原発性胆汁性胆管炎(PBC)について、胆汁にコレステロールが含まれるため、うっ滞することで脂質異常症が起こりやすくなる、と説明している医療機関のページもあります。

 

かゆみが主症状になり得る病気としてPBCは知られており、大学病院の解説でも、症候性PBCの初発症状として皮膚の掻痒感が最も多い、とされています。

 

もちろん、HDLが高い=PBCという単純な話ではありません。けれど、「善玉コレステロールが多い」という検査結果と、「原因不明のかゆみ」が同時にある場合は、皮膚科だけで完結させず、内科(消化器内科など)で肝胆道系も含めて確認する価値がある、という現実的な示唆になります。

 

善玉コレステロール 多い 増やすより整える生活習慣

すでに「善玉コレステロールが多い」人がやるべきことは、“さらに増やすこと”よりも、「全体の脂質バランスと原因の見極め」を優先することです。HDLを増やす一般的なポイントとしては、禁煙・運動・食事が挙げられ、日本医師会の解説でも禁煙、運動、脂肪分の少ない食事などが示されています。
ただし、かゆみを抱えている人は、睡眠の質が落ちて生活習慣が崩れやすく、結果として食事・飲酒・体重管理が乱れやすい点にも注意が必要です。特に「飲酒でHDLが上がる」という話は、状況次第で落とし穴になります。慢性大量飲酒がCETP蛋白・活性を低下させる可能性が示されているため、HDLが上がっていても“手放しで良い”と捉えない方が安全です。

 

生活習慣の整え方は、次のように“やることが明確で、検査結果にも反映されやすい”順に並べると継続しやすくなります。

 

✅ 禁煙:喫煙はHDLを減らす要因になり得るため、まずはここから着手する価値が高いです。

 

✅ 有酸素運動:HDLを上げ、中性脂肪を下げる方向が期待されるとされています。

 

✅ 食事:脂肪分の多い食事を控え、野菜・きのこ・海藻などを意識する、という基本が示されています。

 

✅ 飲酒:HDLの数値目的で増やさず、「量」を見直す(特に毎日飲む人は医師に量を相談)。

 

皮膚のかゆみが強いときは、運動や入浴が刺激になって悪化するケースもあるので、「かゆみ対策(保湿、室温調整、医師の治療)」と「脂質対策」を同時に進めることが、結果的に続けやすい現実解になります。胆汁うっ滞のかゆみにはコレスチラミンなどが使われることがある、という説明もあるため、自己判断で我慢せず医療機関に相談するのが近道です。

 

善玉コレステロール 多い 独自視点:かゆみの夜間悪化と検査タイミング

検索上位の一般的な説明では「善玉を増やそう」「食事と運動」といった王道が中心になりがちですが、かゆみで悩む人にとっては“検査の受け方”も実は重要です。なぜなら、かゆみは夜間に強くなったり、入浴後に強くなったりして生活が乱れ、受診の先延ばしにつながりやすいからです(眠れない→日中に動けない→受診が遅れる、という流れ)。PBCのかゆみは体温上昇時(入浴後や夜間)に強くなる傾向がある、という医療機関の解説もあります。
そこで実務的な工夫として、「健診結果(HDLが多い)+かゆみ」がある人は、次のように“症状メモ”を作ってから受診すると話が早くなります。

 

・かゆみが強い時間帯(夜間、入浴後、運動後など)
・皮膚に発疹があるか(見た目の変化があるか)
・尿が濃い、便が白っぽい、目が黄色いなどの変化があるか(胆汁うっ滞で説明される症状)
・飲酒量(週何日、1日何杯、休肝日があるか)
・HDLが「昔から高め」か「急に上がった」か
さらに、“意外と見落としやすい”のが、検査値の改善を狙ってサプリや健康法を増やしすぎることです。原因が胆汁うっ滞など全身性の場合、自己流の対策よりも原因特定が優先になります。MSDマニュアル家庭版でも、胆汁うっ滞では皮膚のかゆみや尿・便の変化が出ることが説明されているため、これらがある場合は皮膚ケアだけで終わらせない判断が必要です。

 

最後に、受診先の選び方です。皮膚に明らかな湿疹があるなら皮膚科は第一選択になり得ますが、黄疸、尿・便の色の変化、全身倦怠感などがある場合は内科(消化器内科)も視野に入れるのが合理的です。かゆみを「皮膚」だけで分断せず、健診の脂質データ(善玉コレステロールが多い)を持っていくと、診察の精度が上がります。

 

(参考)HDLの基本と増やし方(禁煙・運動・食事の要点):https://www.med.or.jp/forest/check/kessa/kessei/index.html
(参考)胆汁うっ滞の症状(皮膚のかゆみ、尿・便の変化):https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/04-%E8%82%9D%E8%87%93%E3%81%A8%E8%83%86%E5%9A%A2%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%82%9D%E8%87%93%E3%81%A8%E8%83%86%E5%9A%A2%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%83%86%E6%B1%81%E3%81%86%E3%81%A3%E6%BB%9E
(参考)PBCの初発症状としてのかゆみ(大学病院解説):原発性胆汁性胆管炎(PBC)
(参考)胆汁うっ滞のかゆみ物質の作用機序(研究機関の発表):胆汁うっ滞のかゆみ物質の作用機序の解明 - 生理学研究所

 

 


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