アトピスマイルクリーム/ライスパワーNo.11
アトピスマイルクリームは、冬の乾燥・肌荒れに重宝するクリーム。
アトピスマイルに配合されている、ライスパワーNo.11は肌の保湿能を改善する、とあります。
実際、どういうものなんでしょうか?
詳しく調べてみました。
ライスパワーの効能は、肌の水分保持能を改善
アトピスマイル公式サイトには、厚生労働省がライスパワーNo.11に「肌の水分保持能が改善する」効能を認められています。
ライスパワーエキスの原料は、白米100%。抽出・生成されたエキス成分を、酵母や乳酸菌を加えて発酵・熟成させたもの。
発酵過程で用いられる微生物の組み合わせで、数種類のライスパワーエキスがあります。
当時の薬事法では、医薬部外品に「改善」という言葉がつくのは、旧薬事法制定以来初だったんですね。
※医薬部外品は、医薬品よりも効能がゆるやかなものを指します。
認可されたのは、2001年。ちょうど、厚生省と労働省が合わさって、厚生労働省ができた時期です。
そのせいか、厚生労働省ウェブサイトにはライスパワーNo.11の申請内容や、認可に関する情報は記載されていませんでした。
しかし、ライスパワーのエキスを使った別商品の審査記録に、このような内容が。
薬事・食品衛生審議会 化粧品・医薬部外品部会 議事録(2015年11月9日)
「なお、既承認の有効成分として、本成分に類似した米由来抽出成分であるライスパワーNo.11があります。」
ライスパワーNo.11が厚生労働省に承認されていることは間違いないようです。
アトピスマイルは、2002年から効能表示をしていて問題が起こってないので、そこまで調べるまでもなく認可されているのは明らかかも知れませんね。
ライスパワーでセラミドが増えて、水分キープ力が上がる
ライスパワーNo.11は、米由来のエキスを塗るだけで、セラミドが増えて皮膚の水分キープ力があがるとされています。
しっとりした肌とは 具体的に言うと「皮膚の角質中に水分が十分含まれている状態」を指します。
角質の水分量が減ると、外からの刺激 紫外線 乾燥の影響を受けやすくなり、肌荒れ、乾燥肌などが起こるんですね。
角質中の水分を補給する目的で利用されてきたのが、保湿美容液。
皮膚に水分を補給することができますが、角質中の水分を保持する能力を改善することは出来ませんでした。
角質中の水分を保持する能力のことを、専門用語で水分保持能と言います。
肌の水分保持能に深く関係している物質がセラミド。肌の角質層の隙間を埋めるように、細胞間脂質が満たされています。
細胞間脂質の主成分がセラミド。角質内の水分が奪われないよう、皮膚のバリア機能として働いています。
セラミドが豊富な肌は、潤いに満ちてキメ細かい肌になります。
乾燥肌の原因は、細胞間脂質のセラミドを作る能力の衰え
細胞間脂質は、角質層の奥にある顆粒層(りゅうかそう)の細胞が作り出すのですが、加齢とともに、顆粒層からセラミドを作り出す能力は落ちていきます。
そのため、冬など空気中の湿度の低い時期には、肌の水分が足りなくなって、角質層が乾きます。その結果、肌のバリア機能が失われて、乾燥やかゆみなどの、肌トラブルが起こるんですね。
これが乾燥肌の原因なんですね。
肌の水分保持能の改善例
実際、ライスパワーNo.11で、肌の水分保持能をどのくらい改善できるんでしょう?
化粧品メーカー・コーセーの執行役員の荒金久美氏が、自社の化粧品に使うためにライスパワーNo.11を試した記録がありました。
自社の研究員に試してもらったそうです。
ライスパワーNo.11を4週間塗った時の、セラミドの変化がこれ。
ちょっぴりですが、増えています。
そして、水分保持能がどのくらい改善されたかというと?
1ヶ月で、水分量が1.5倍にアップ。
普通肌の人の水分量は、35%〜50%。
乾燥肌の人の水分量は、10%〜30%です。
乾燥肌の人の水分量が1.5倍になったとすると…
水分量15%〜45%。
約半数の人が、乾燥肌→普通肌になる計算です。
セラミドのわずかな増加が、水分保持能を大きく変化させるんですね。
その後、使用をしばらく中止しても、水分保持能の増大効果は持続したそうです。
肌の水分量を測る機械が市販されているので、あなたの水分保持能がどのくらい改善するか、数字でチェックできます。
こうやって、数字で確かめられる効能だからこそ、厚生労働省も認可を出したのかも。
ライスパワーNo.11の特許は、酒造メーカー勇心酒造が取得
そんなにスゴイ成分なら、特許取ってるでしょう。
念のため、特許庁のサイトを調べてみました。
特許はわかりやすく、「ライスパワーに関する特許」とかじゃなく、製造過程で必要になってくる技術の特許でした。
日本酒メーカーの勇新酒造がもっている特許。
「焙煎穀類抽出液の製造法(勇心酒造)」
特許情報プラットフォームで調べました。
米由来のエキスを抽出する方法について、特許を取得しているようです。
1984年取得
特開昭59−74977
国際特許分類第5版
A23L 2/38
// A23F 3/34
A23L 1/221
アトピスマイルの開発元・勇心酒造の代表者である、徳山 孝さんの名前で申請されていました。
ライスパワーNo.11は、コーセーなど高級化粧品に使われている
勇心酒造が、ライスパワーNo.11を医薬部外品として認可を取得してから、一番最初に作ったのはアトピスマイルクリームでした。
当時、社会問題化していたアトピー性皮膚炎など肌トラブルに悩む方のために開発した、初製品です。
ライスパワーNo.11は、「べとついて、肌へのつけ心地が悪い」という欠点がありました。
ベトつきを抑えて、サラッサラな使い心地に仕上げたのが、アトピスマイルクリームなんですね。
その後、アンチエイジング化粧品として、ライースリペアを発売。
他のメーカーも、勇心酒造の動きには注目していたようです。
ライスパワーNo.11を配合した化粧品を発売しています。
- コーセー 米肌
- ライスフォース ディープモイスチュアローション
なお、米由来だから肌に優しいのですが、米アレルギーの人には合わないでしょう。
いきなり本品を買わずに、トライアルキットを試すのが良いでしょう。