

スギ花粉が落ち着いたと思ったら、また目がかゆい。それ、ヒノキ花粉です。
ヒノキ花粉の飛散時期は、大まかに「3月後半〜5月」と覚えている人が多いかもしれません。確かにその認識は間違いではありませんが、地域によってかなりの差があります。大正製薬のアレルラボや耳鼻科の専門医が公開しているデータによると、特に関東・関西では1月下旬にはすでに飛散が始まっています。スギ花粉がまだ本格化する前の段階から、ヒノキ花粉はじわじわと飛び始めているのです。
下の表に地域別の目安をまとめました。お住まいのエリアと照らし合わせて確認してください。
| エリア | 飛散開始 | ピーク | 飛散終息 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 4月下旬 | 飛散量は少ない | 6月いっぱい |
| 東北 | 3月中旬 | 4月 | 5月中旬 |
| 関東 | 1月下旬 | 3月中旬〜4月いっぱい | 7月上旬 |
| 東海 | 3月中旬 | 4月上旬〜中旬 | 5月中旬 |
| 関西 | 1月下旬 | 4月上旬〜中旬 | 5月いっぱい |
| 九州 | 3月初旬 | 3月中旬〜4月上旬 | 5月中旬 |
ここで注目してほしいのが、関東の「飛散終息:7月上旬」という点です。ゴールデンウィークを過ぎてもまだかゆい…という経験がある方は、ヒノキ花粉が原因の可能性があります。終息まで半年近くに及ぶケースもあるのが、関東のヒノキ花粉の特徴です。
2026年は東日本・北日本を中心に飛散量が例年より多くなる予測が出ています。つまり、例年よりかゆみが強まるリスクがあるということです。早めに情報を確認しておくことが重要です。
参考:ヒノキ花粉の地域別飛散時期・ピーク・終息時期(大正製薬アレルラボ)
https://brand.taisho.co.jp/allerlab/kafun/019/
スギ花粉症なのに、スギのシーズンが終わってからも目がかゆい。そんな経験を持つ人は少なくありません。これは単なる偶然ではなく、医学的な仕組みがあります。
スギ花粉にアレルギーがある人の約7割が、ヒノキ花粉にも反応するとされています。これを「交差反応性」といいます。スギとヒノキは植物学的に近い関係にあり、それぞれのアレルゲンの分子構造がよく似ているため、免疫系が両方を同じ「敵」と見なしてしまうのです。スギとヒノキ、両方に反応する場合は2月〜5月のゴールデンウィーク頃まで症状が続きます。
症状の内容はスギ花粉症と似ていますが、ひとつ大きな違いがあります。ヒノキ花粉はスギ花粉より粒子がわずかに小さく(約28〜35マイクロメートル)、目や喉の粘膜に到達しやすい性質を持っています。そのため、ヒノキ花粉の方が目のかゆみや充血・涙目といった眼症状が強く出る傾向があります。
「スギが終わって楽になったと思ったのに、また目がかゆくなった」という場合はヒノキが原因です。
かゆみ以外にも、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・のどのかゆみ・皮膚炎・倦怠感といった症状が現れることがあります。ヒノキ花粉による皮膚炎は「花粉症皮膚炎」とも呼ばれ、顔まわりや首に湿疹が出るのが特徴です。症状が多岐にわたるため、かゆみだけでなく全身の変化に気を付けることが大切です。
参考:スギ花粉とヒノキ花粉の違い・症状の比較(ふくおか耳鼻咽喉科)
https://fukuoka-jibi.com/wp-content/uploads/2020/07/news201705.pdf
ヒノキ花粉のかゆみを抑えたいなら、飛散量が増える条件を知っておくことが有効です。飛散量は1日を通して変化しており、特に多くなるのは「午前11時〜午後2時ごろ」と「夕方18時ごろ」の2回です。朝に山や郊外から飛散した花粉が、昼前後に都市部まで到達するという仕組みです。これが基本です。
また、天気条件によっても飛散量は大きく変わります。飛散が多い日の特徴は以下のとおりです。
逆に、雨の日はかゆみが比較的おさまりやすい傾向があります。ただし油断は禁物で、「雨の翌日」こそ最も警戒が必要な日です。意外ですね。
かゆみがひどくなる日を事前に把握するために、tenki.jpや日本気象協会のアプリで花粉飛散情報を確認するのが現実的な方法です。一つのアプリを毎朝チェックする習慣をつけるだけで、対策のタイミングが格段に改善します。
目がかゆいとき、無意識に手で目をこすっていませんか。これは実は非常にリスクの高い行動です。NG行動として最初に覚えておきたいことです。
目をこすると、まず肥満細胞(マスト細胞)が物理的な刺激を受け、さらに大量のヒスタミンが放出されます。ヒスタミンはかゆみを引き起こす化学物質ですから、こすればこするほどかゆみが増す悪循環に入ってしまいます。痛いですね。
さらに、こすり続けると以下のような健康被害につながることがあります。
かゆみを感じたときの正しい対処法は、「こすらず冷やす」が基本です。清潔なタオルを濡らして冷やしたもの、または保冷剤をタオルに包んで目に当てると、血管が収縮してかゆみが一時的に和らぎます。
また、防腐剤フリーの人工涙液(市販の目薬)で花粉を洗い流す方法も効果的です。花粉シーズン中は1本持ち歩き、外出後すぐに洗眼するだけでもかゆみの頻度が大きく変わります。
参考:花粉症で目がかゆい時の危険な行動と正しい対処法(先進会眼科コラム)
ヒノキ花粉のかゆみを抑えたいなら、症状が出てから薬を飲むのでは遅い場合があります。これは多くの人がやってしまっている行動です。
「初期療法」と呼ばれる方法では、花粉の飛散が始まる約2週間前から抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬など)を服用し始めます。2026年の医療機関の情報によると、この方法によってシーズン中の症状を約7割軽減できると言われています。なぜなら、薬が体内で効果を発揮するまでに1〜2週間ほどかかるからです。ヒノキ花粉の飛散開始に合わせてピークの対策を準備する、というイメージです。
ヒノキ花粉のピークは地域によって異なりますが、関東・関西では3月末〜4月中旬が最もつらい時期です。逆算すると、3月中旬には薬の服用を開始しておくのが理想です。つまり3月中旬がスタートラインです。
薬の種類については、耳鼻科や内科を受診して処方してもらうのが最も確実です。市販薬でも第2世代抗ヒスタミン薬(フェキソフェナジン・ロラタジン・セチリジンなど)が選べますが、眠気の出にくいタイプを選ぶと日常生活への影響が少なくて済みます。薬の選び方は医師に相談するのが条件です。
眼症状(目のかゆみ・充血)が強い場合は、内服薬と組み合わせて抗アレルギー点眼薬を使うと効果的です。眼科では花粉の飛散開始2〜3週間前から点眼を始める「初期療法」も推奨されており、かゆみのピークをコントロールしやすくなります。
参考:花粉症の初期療法でシーズン中の症状を軽減(阪野クリニック)
https://banno-clinic.biz/early-treatment-hay-fever/