

目が赤くなるほどこすっても、かゆみは治まるどころか悪化するだけです。
日本気象協会が2026年2月19日に発表した「第4報」によると、スギ花粉の飛散ピークは地域ごとに差があるものの、広い範囲では3月上旬から3月中旬が山場となる見込みです。東京千代田区では2月14日に飛散開始が観測済みで、福岡・東京など早い地域では2月末までにピークを迎えているとされています。
ピーク期間は「10日間から1か月ほど」と予測されています。これはサクラのような一斉開花とは異なり、気温の寒暖差によって波状的に大量飛散が繰り返されるためです。
急に暖かくなる日には飛散量が一気に跳ね上がります。3月に「暖かい日→寒い日→また暖かい日」というパターンが繰り返されると、そのたびにかゆみが増す可能性がある点に注意が必要です。
参考:日本気象協会による2026年春の花粉飛散予測(第4報)の公式発表。飛散開始日・ピーク時期・飛散量を地域別に解説しています。
「ピーク」が終わっても、スギ花粉が完全にゼロになるわけではありません。飛散が終わる時期は地域によって大きく異なるため、お住まいの地域に合わせて把握しておくことが大切です。
下の表は、2026年のスギ花粉飛散終了の目安です。
| 地域 | スギ飛散終了の目安 | ヒノキ飛散終了の目安 |
|---|---|---|
| 🌸 九州・四国・中国 | 3月下旬〜4月上旬 | 4月下旬 |
| 🌸 東海・近畿 | 4月上旬〜中旬 | 4月下旬 |
| 🌸 関東(東京など) | 4月上旬〜中旬 | 5月上旬 |
| 🌸 北陸・甲信 | 4月中旬〜下旬 | 5月上旬〜中旬 |
| 🌸 東北南部 | 4月下旬〜5月上旬 | 5月中旬 |
| 🌸 東北北部・青森 | 5月上旬〜中旬 | ほぼなし |
つまり、関東なら「4月中旬ごろがスギの終わり」です。
ただし、スギが終わるとすぐにヒノキ花粉の本格飛散が始まります。スギ花粉症の方の約6割がヒノキにも反応するとされており、「スギが終わったから安心」と対策を外すのは早計です。関東ではヒノキが5月上旬まで続くため、実質的にはゴールデンウィーク明けまで対策を継続することが推奨されます。
参考:ウェザーニュースの花粉カレンダーでは、地域ごとの飛散開始・終了・ピーク期間を一覧で確認できます。
2026年のスギ花粉がなぜ多いのか。その背景にあるのは、2025年夏の猛暑です。スギの雄花は前年の夏の気温と日照時間が長いほど多く成長します。2025年夏は全国的に記録的な高温が続いたため、翌2026年の花粉生産量が大幅に増加した、というメカニズムです。
さらに2026年は「裏年」に該当するにもかかわらず、夏の猛暑の影響が裏年効果を上回ったという点も特徴的です。通常、大量飛散の翌年は少ない「表裏の隔年現象」が知られていますが、今年はその常識が通用しませんでした。
地域別の飛散量を見ると、特徴がはっきりします。
東日本在住の方は、例年の対策レベルでは対応が追いつかない可能性があります。「去年はこの薬で乗り切れた」という感覚は、今年は通用しないかもしれません。症状がいつもより強く出ていると感じたら、早めに医療機関で相談するのが得策です。
参考:2026年の花粉症が東日本・北日本で例年より多い理由と、早期受診の重要性を解説しています。
2026年の花粉症は東日本・北日本で要注意!|PRtimes
かゆみを感じると、つい目や肌を強くこすってしまう方は多いです。しかし、これは最もやってはいけない行動のひとつです。目をこすると角膜に細かい傷がつき、さらにかゆみが増す悪循環に陥ります。また、顔の肌を指でこするとバリア機能がさらに低下し、スギ花粉に含まれるタンパク質分解酵素(Cry j1などのプロテアーゼ)が皮膚の内部に侵入しやすくなります。悪化を防ぐのが基本です。
目のかゆみへの正しい対処法は、こすらずに冷やすことが第一です。冷たいタオルや保冷剤をハンカチで包んで目の上にそっと当てると、炎症が少し和らぎます。外出後に洗顔・洗眼することも効果的です。目薬(抗アレルギー点眼薬)は花粉シーズン前から使い始めると、ピーク時の症状を大幅に抑えられます。
肌のかゆみ(花粉皮膚炎)についても注意が必要です。これは少し意外ですが、鼻水やくしゃみがなくても、肌だけにかゆみや赤みが出る「花粉皮膚炎」という状態があります。スギ花粉が皮膚に付着することで引き起こされる接触性のアレルギー反応です。特にまぶた・頬骨付近・首は皮膚が薄く花粉が触れやすいため、症状が出やすい部位です。アトピー性皮膚炎をお持ちの方の約30%が花粉シーズンに症状の悪化を経験するというデータもあります。
かゆみを感じたら冷やす、が基本です。
今すぐできる対策チェックリスト
参考:花粉による皮膚かゆみ・肌荒れの原因と対策を医学論文データをもとに解説しています。
多くの人が見落としているポイントがあります。それは「スギ花粉がピークを過ぎたあと」の時期こそ、症状が長引くリスクが高まるという逆説的な事実です。
ピーク時には対策を徹底する人が多いですが、3月下旬に「花粉が少し減ったかな」と感じた時点でマスクを外したり、薬をやめたりするケースが少なくありません。ところが、この時期にはヒノキ花粉が本格的に飛散を始めており、スギ花粉症の方の約6割はヒノキにも反応します。これは意外ですね。
スギ花粉が終わりかけているにもかかわらず症状が続く場合、「スギが終わったのになんでまだかゆいの?」と思う方は多いです。しかし実際には、すでにヒノキ花粉にバトンタッチされているケースがほとんどです。2026年は関東でヒノキ花粉が5月上旬まで続く見込みですので、4月以降も対策を継続することが、かゆみゼロで春を乗り切る鍵になります。
また、「晴れた日に症状がひどい」と感じる方は多いですが、実は雨上がりの翌日も要注意です。雨で地面に落ちた花粉が、翌日の晴天で再飛散するため、1日で2倍近くの花粉量が飛ぶことがあります。週間天気予報で雨翌日を確認し、その日の外出時に対策を強化するのが、現場感覚で役立つ知恵です。
さらに、都市部在住の方に特有の注意点があります。スギ林から距離がある都心でも、風向きによって数十km先から花粉が運ばれてきます。「近くにスギ林がないから大丈夫」という思い込みは危険です。
ピーク後も対策を続けるための実践ポイント
最終的には「花粉情報を毎日チェックする習慣」が、かゆみを最小限に抑える最強の防御策です。気象アプリや環境省の花粉情報システムを活用して、飛散量が多い日・時間帯を事前に把握し、外出スケジュールや対策の強度を調整しましょう。ピーク後も油断しない、それだけで例年より格段にラクに過ごせます。
参考:花粉症のピーク時期・終了時期・地域差・症状対策を総合的に解説した専門クリニックの記事です。
花粉症のピークはいつ?2026年の花粉飛散予測と対策ガイド|新宿ICクリニック