アレルギー性鼻炎薬処方の選び方と効果

アレルギー性鼻炎薬処方の種類と選び方

この記事でわかること
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処方薬の種類

第二世代抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬、抗ロイコトリエン薬など主要な処方薬を網羅

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病院での治療

耳鼻科と内科の違い、処方薬と市販薬の効果の差を詳しく解説

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副作用と注意点

眠気や集中力低下など、薬剤ごとの副作用と安全な使用方法

アレルギー性鼻炎処方薬の主要な種類

 

アレルギー性鼻炎の治療で病院から処方される薬は、主に第二世代抗ヒスタミン薬が中心となります。医師が実際に処方する頻度が高い薬剤として、フェキソフェナジン(アレグラ)、ビラスチン(ビラノア)、レボセチリジン(ザイザル)、エピナスチン(アレジオン)などが挙げられます。これらの薬は第一世代と比較して眠気などの副作用が軽減されており、現在の治療の主流となっています。

 

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処方薬には内服薬だけでなく、ステロイド点鼻薬や抗ロイコトリエン薬など複数の選択肢があります。ステロイド点鼻薬にはアラミスト、ナゾネックス、エリザスなどがあり、鼻粘膜の炎症を強力に抑える効果があります。抗ロイコトリエン薬のプランルカストやモンテルカストは、特に鼻づまりの改善に優れた効果を発揮します。

 

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医療機関での処方は、患者の症状や体質に合わせて最適な薬剤を選択できる点が大きなメリットです。例えば鼻水やくしゃみが主な症状の場合は抗ヒスタミン薬、鼻づまりがひどい場合は抗ロイコトリエン薬やステロイド点鼻薬との併用が推奨されます。

 

参考)アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎で処方される薬剤のランキング
処方頻度の高い薬剤の詳細データが確認できます

アレルギー性鼻炎の第二世代抗ヒスタミン薬処方

第二世代抗ヒスタミン薬は、アレルギー性鼻炎治療の第一選択薬として広く使用されています。第一世代は1980年以前に開発された薬で即効性がありますが、強い眠気や集中力低下といった副作用が問題でした。これに対して第二世代は、効果を維持しながら副作用を大幅に軽減することに成功しています。

処方薬として人気の高いビラノアは、医師が検索する薬剤でも1位を獲得しており、効果と安全性のバランスに優れています。また、デザレックス、ルパフィンなども病院でしか処方されない薬剤として注目されています。これらの薬は市販薬として入手できないため、医療機関を受診する必要があります。

 

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第二世代抗ヒスタミン薬の中でも、眠気の出にくさには差があります。フェキソフェナジンとロラタジンは特に眠気を催しにくく、集中力や判断力の低下も少ないとされています。運転や精密作業を行う方には、これらの薬が適している可能性が高いでしょう。

 

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  • フェキソフェナジン(アレグラ):眠気が少なく、市販薬としても入手可能
  • ビラスチン(ビラノア):医師の処方頻度1位、空腹時服用で高い効果
  • レボセチリジン(ザイザル):効果が強めだが眠気が出る場合がある
  • デスロラタジン(デザレックス):1日1回服用、処方薬のみ

アレルギー性鼻炎のステロイド点鼻薬処方

ステロイド点鼻薬は、アレルギー性鼻炎のガイドラインで最も推奨されている治療法の一つです。局所的に作用するため全身性の副作用がほとんどなく、長期使用でも安全性が高いことが特徴です。鼻水、くしゃみ、鼻づまりのすべての症状に効果があり、目の症状にも有効という報告があります。

 

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ステロイド点鼻薬の効果は即効性ではなく、連続使用によって発揮されます。教科書的には1〜2日で効果が出るとされていますが、実際に患者が効果を実感できるのは使用後3〜5日後のことが多いです。そのため、症状が強くなったときだけスポット的に使用するのではなく、継続的な使用が重要となります。

 

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処方される主なステロイド点鼻薬には、アラミスト、ナゾネックス、エリザス、フルナーゼの4種類があります。これらは効果に大きな差はありませんが、使用感や噴霧回数に違いがあります。成人は1日1回2噴霧、子供は1回1噴霧が基本で、症状が強い場合は2回使用することも可能です。

 

参考)アレルギー性鼻炎

📌 ステロイド点鼻薬を使うべき人

  • 鼻づまりがひどい方
  • 抗ヒスタミン薬だけでは効果が不十分な方
  • 長期的に症状をコントロールしたい方
  • 眠気の副作用を避けたい方

花粉症の点鼻薬は何が良いの?
ステロイド点鼻薬の正しい使い方と効果について詳しく解説されています

アレルギー性鼻炎の抗ロイコトリエン薬処方と鼻づまり改善

抗ロイコトリエン薬は、鼻づまりを伴うアレルギー性鼻炎に特に効果的な処方薬です。ロイコトリエンはアレルギー反応で放出される物質で、血管を拡張させて鼻粘膜を腫らし、鼻づまりを引き起こします。この受容体をブロックすることで、即時型および遅発型アレルギー反応を抑制します。

 

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代表的な薬剤として、プランルカスト水和物やモンテルカストナトリウムがあります。これらの薬は気管支喘息にも効果があるため、喘息を合併しているアレルギー性鼻炎患者によく使用されます。第二世代抗ヒスタミン薬と比較しても優れた効果を示すことが研究で明らかになっています。

 

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抗ロイコトリエン薬は単独でも効果がありますが、抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬と併用することで、くしゃみや鼻水といった症状をさらに軽減できます。鼻粘膜への好酸球の浸潤を抑制することで、鼻粘膜の過敏性が軽減されるためです。

💡 意外と知られていない事実:抗ロイコトリエン薬は、花粉症シーズンの初期から使用することで、症状のピークを抑制する効果があります。症状が出てから服用するよりも、予防的に使用する方が高い効果が期待できます。

 

アレルギー性鼻炎薬の副作用と病院受診のメリット

アレルギー性鼻炎の処方薬には、それぞれ特有の副作用があります。第二世代抗ヒスタミン薬でも、一部の薬では眠気や口の渇き、集中力の低下が起こる可能性があります。特に第一世代抗ヒスタミン薬は強い眠気を引き起こすため、運転や高所作業を行う方には適していません。

 

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病院を受診するメリットは、個人の症状や体質に合わせた最適な薬を処方してもらえる点です。市販薬は自己判断で選ぶ必要がありますが、処方薬は医師の専門知識に基づいて選択されます。また、処方薬は市販薬よりも効き目が強く、カバーできる症状も広いことが一般的です。

 

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受診する診療科については、耳鼻咽喉科が最も専門的な診療を受けられます。鼻腔内を詳しく診察してアレルギーによる粘膜の状態やポリープの有無を確認し、適切な薬の処方が可能です。内科でも治療は可能ですが、症状が管理しづらい場合は耳鼻咽喉科の受診が推奨されます。

 

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⚠️ 注意すべき副作用

  • 眠気と集中力低下(運転や機械操作に影響)
  • 口の渇き
  • 痙攣との関連(第一世代抗ヒスタミン薬)
  • 点鼻薬の長期使用による薬剤性鼻炎

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国立病院機構の専門医による治療の注意点が詳しく解説されています

アレルギー性鼻炎処方薬と市販薬の違い

処方薬と市販薬の最も大きな違いは、適応症の範囲です。例えば市販薬のアレグラFXは花粉やハウスダストによるアレルギー性鼻炎にしか使用できませんが、処方薬のアレグラは蕁麻疹や皮膚疾患にも適応があります。処方薬の方が幅広い症状に対応できる設計になっているのです。

 

参考)https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/fnbil/

病院でしか入手できない処方薬として、ビラノア、ザイザル、デザレックス、ルパフィンなどがあります。これらは第二世代抗ヒスタミン薬の中でも新しい世代に属し、効果と安全性のバランスに優れています。点鼻薬では、アラミストやナゾネックスといったステロイド点鼻薬も処方薬のみとなります。

 

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経済面では、処方薬の方が長期的にはコストパフォーマンスが良い場合があります。健康保険が適用されるため、自己負担額は市販薬よりも低くなることが多いです。ただし、診察料や調剤料が別途かかるため、初診時は市販薬よりも高額になる可能性があります。

 

参考)OTCアレルギー薬と耳鼻咽喉科受診の経済的比較

項目 処方薬 市販薬
入手方法 医療機関を受診して処方箋が必要 薬局やドラッグストアで購入可能
薬の種類 ビラノア、デザレックスなど処方薬限定の選択肢が多い アレグラFX、アレジオン20など限定的
効き目 強く、適応症が広い​ 処方薬より弱い傾向
費用 保険適用で自己負担が少ない​ 全額自己負担
専門家の判断 医師が症状に合わせて選択​ 自己判断で選ぶ必要がある

市販薬で症状が改善されない場合や、症状がひどい場合は速やかに病院を受診することが推奨されます。適切な診断と治療を受けることで、より効果的な症状のコントロールが可能になります。

 

参考)【池上】花粉症における市販薬と病院の処方薬の違い

 

 


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