線維芽細胞とは?真皮でコラーゲンを生成し活性化する方法

線維芽細胞とは?真皮でコラーゲンを生成し活性化する方法
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肌の天然工場

真皮に存在し、肌のハリや弾力を支えるコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を生み出す唯一の細胞です。

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かゆみとの深い関係

線維芽細胞が衰えると真皮がスカスカになり、表皮のバリア機能が崩壊してかゆみ神経が過敏になります。

自力で活性化

高価な化粧品よりも、鉄分・ビタミンC・タンパク質の摂取と、質の高い睡眠が細胞のスイッチを入れます。

線維芽細胞とは

線維芽細胞(せんいがさいぼう)とは、私たちの皮膚の深層部にある「真皮」という層に存在し、美しい肌や丈夫な皮膚を作るための成分を生み出す「工場」のような役割を果たす細胞のことです 。

 

参考)真皮線維芽細胞|セルバンク

鏡で見る肌の表面(表皮)のさらに奥、厚さ約2ミリほどの真皮層の中で、紡錘形(ラグビーボールのような形)をして浮遊しています 。この細胞は、ただ存在しているだけでなく、以下のような重要な働きを担っています。

 

参考)線維芽細胞はどこにある?働きや加齢による変化をわかりやすく解…

  • 成分の製造: コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸という「肌の3大要素」を作り出します。
  • メンテナンス: 古くなった組織を分解し、新しい組織に入れ替える新陳代謝を行います。
  • 修復: 怪我をした際に傷口を塞ぎ、組織を修復する際の主役となります 。​

皮膚の乾燥やかゆみに悩む人にとって、表面の保湿ケアだけでは改善しない場合、この「工場の稼働率」が低下し、肌の土台自体が痩せ細っていることが根本原因であるケースが少なくありません。

 

花王 | スキンケアナビ | 真皮の構造と働きについて
https://www.kao.com/jp/skincare/skin/structure-04/

線維芽細胞とは?コラーゲンやエラスチンとの関係

 

線維芽細胞が「工場」であるならば、そこで生産される製品がコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸です。これらは肌のハリ、弾力、潤いを保つために不可欠ですが、それぞれ異なる役割を持っています 。

 

参考)最前線! 美肌への道。 「コラ—ゲン」「エラスチン」を増やす…

これらは相互に作用し合っていますが、すべて線維芽細胞だけが作り出すことができます

 

成分名 役割 構造のイメージ
コラーゲン 強度・ハリ 建物の「鉄骨」や「柱」。真皮の約70%を占め、肌の強度を保ちます。
エラスチン 弾力・バネ 鉄骨を繋ぐ「ボルト」や「留め具」。コラーゲン同士を結びつけ、ゴムのような弾力を与えます。
ヒアルロン酸 潤い・クッション 柱の間を埋める「セメント」や「壁材」。大量の水分を抱え込み、クッションの役割を果たします。

線維芽細胞が元気であれば、これらの成分が絶えず新鮮な状態で供給されます。しかし、機能が低下すると、鉄骨(コラーゲン)が折れ、留め具(エラスチン)が錆び、セメント(ヒアルロン酸)が乾いてしまうため、肌表面が陥没してシワができたり、薄くなって刺激に弱くなったりします 。

 

参考)三大美容成分を高める線維芽細胞とは? - EBM

特に重要なのがエラスチンです。エラスチンは一度壊れると再生されにくいと言われていますが、線維芽細胞を活性化させることで、その維持や微量な修復が期待できます 。

EBM | 三大美容成分を高める線維芽細胞とは?
三大美容成分を高める線維芽細胞とは? - EBM

線維芽細胞とは?加齢による減少とシワ・たるみ

悲しい現実ですが、線維芽細胞の数と機能は、年齢とともに確実に低下します。20代後半をピークに減少が始まり、50代では20代の約半分以下になるとも言われています 。

 

参考)真皮線維芽細胞療法|医療法人社団 永 再生医療

線維芽細胞が減少・機能低下する主な原因は以下の3つです。

 

  1. 加齢(自然老化):
    • 細胞分裂の回数には限界があります。分裂能力を失った細胞は「老化細胞」として肌に居座り、周囲の正常な細胞に悪影響を与える炎症物質を撒き散らすことが近年の研究でわかっています。
  2. 光老化(紫外線ダメージ):
  3. 酸化ストレス(活性酸素):

シワやたるみは、単に皮が余っているのではなく、中身(真皮のコラーゲン密度)がスカスカになった結果、表皮を支えきれずに崩落している状態なのです。

 

東京ひまわりクリニック | 線維芽細胞とは?増やす方法や特徴
線維芽細胞とは?増やす方法や特徴、働きについて|再生医療での…

線維芽細胞とは?皮膚のバリア機能と乾燥やかゆみの意外な関連

ここが本記事で最もお伝えしたい、「かゆみ」と「線維芽細胞」の意外な接点です。

 

通常、かゆみ対策というと「表皮」の保湿ばかりに目が行きがちですが、実はその下の「真皮」の状態が、かゆみの発生に大きく関わっています。

 

  • 土台が崩れるとバリアも崩れる

    線維芽細胞が弱り、真皮の厚みが失われると、その上にある表皮の細胞配列も乱れます。すると、外部からの刺激(ダニ、ほこり、衣服の摩擦)をブロックする「バリア機能」が低下し、水分が蒸発しやすくなります(ドライスキン) 。

     

    参考)皮膚の特徴 ~皮膚バリア機能とは~

  • かゆみ神経の暴走(神経線維の伸長)

    肌の潤いが失われ、真皮の状態が悪化すると、通常は真皮と表皮の境界線付近に留まっているはずの知覚神経(C線維)が、表皮の角層直下まで伸びてきます

     

    参考)肌のバリア機能|皮ふ科医に聞く ミニ知識 - 敏感肌スキンケ…

    これは、敵の侵入を察知しようとする防衛反応ですが、結果として「髪の毛が触れただけ」「服が擦れただけ」で激しいかゆみを感じるようになります。

     

つまり、線維芽細胞を元気にして真皮をふっくらと厚く保つことは、神経が過敏になるのを防ぎ、慢性的なかゆみを根本から断つために非常に重要なのです。表面的な保湿クリームで効果が続かない場合、肌の奥の「工場」が休業状態になっている可能性があります。

 

マルホ | 乾燥によって痒みが発生するメカニズム
皮膚の特徴 ~皮膚バリア機能とは~

線維芽細胞とは?活性化させて増やす方法

線維芽細胞そのものの数を劇的に増やすには、自身の細胞を培養して移植する「再生医療(線維芽細胞療法)」という専門的な医療処置が必要です 。しかし、今ある細胞を活性化(元気にする)させることは、毎日の生活習慣で十分に可能です。

線維芽細胞を働かせるための「材料」と「環境」を整えましょう。

 

  • 必須栄養素を届ける(材料の補給)

    線維芽細胞がコラーゲンを作るには、以下の栄養素がセットで必要です 。

     

    参考)線維芽細胞を活性化する方法はありますか?おすすめの方法を紹介…

    • タンパク質(アミノ酸): コラーゲンの原料。肉、魚、卵、大豆製品。
    • 鉄分: コラーゲンを合成する酵素の働きを助けます。不足すると良質なコラーゲンが作れません。レバー、赤身肉。
    • ビタミンC: 鉄分と共に、コラーゲン線維を強くねじり合わせる「接着剤」の役割をします。
  • 女性ホルモン様成分の摂取

    大豆イソフラボンは、線維芽細胞に指令を出すエストロゲンと似た働きをし、コラーゲン生成を促します 。

     

    参考)線維芽細胞とは?施術や細胞を増やす食べ物など肌細胞と再生医療…

  • 質の高い睡眠(成長ホルモン)

    線維芽細胞が最も活発に分裂・修復作業を行うのは睡眠中です。特に入眠直後の深い眠りの時に分泌される「成長ホルモン」が、細胞分裂のスイッチを押します。

     

  • ヒートショックプロテイン(HSP)の活用

    40℃〜42℃のお風呂にしっかり浸かることで、傷んだ細胞を修復するタンパク質(HSP)が増え、線維芽細胞の活性化をサポートすると言われています。

     

かゆみに悩む方は、まずは食事で「鉄・タンパク質・ビタミンC」を意識的に摂り、肌の内側からバリア機能を立て直すアプローチを試してみてください。

 

ジュエルクリニック | 線維芽細胞を活性化する方法はありますか?
線維芽細胞を活性化する方法はありますか?おすすめの方法を紹介…

 

 


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