セラミドクリームとかずのすけ
セラミドクリームの成分とヒト型セラミドの効果
皮膚のかゆみや乾燥が止まらない原因の多くは、角層内の「細胞間脂質」が不足し、バリア機能が低下していることにあります。この細胞間脂質の約50％を占める主成分こそがセラミドです。美容化学者のかずのすけ氏がブログや動画で繰り返し強調しているのが、セラミドにはいくつかの種類があり、その中でも「ヒト型セラミド」を選ぶべきであるという点です。
ヒト型セラミドとは、人間の肌にもともと存在するセラミドとほぼ同じ化学構造を持つ成分のことです。酵母などを利用して生成され、肌への親和性が極めて高く、角層に浸透した後にラメラ構造（水と油が層状になったバリア構造）を修復する能力に優れています。
一方で、安価な化粧品によく配合されている「植物性セラミド（グルコシルセラミド）」や「合成類似セラミド（疑似セラミド）」は、保湿効果はありますが、ヒト型セラミドほどのバリア修復機能は期待できないとされています。成分表示を見る際は、以下のような表記があるかを確認することが重要です。
- セラミドEOP（旧称：セラミド1）
- セラミドNG（旧称：セラミド2）
- セラミドNP（旧称：セラミド3）
- セラミドAG（旧称：セラミド5）
- セラミドAP（旧称：セラミド6II）
特にかゆみを伴うような重度の乾燥肌やアトピー肌質の人の場合、複数のヒト型セラミドが配合されている「マルチセラミド」処方のクリームを選ぶことで、より堅牢なバリア機能をサポートできると考えられています。単一のセラミドを高濃度で入れるよりも、複数種類を組み合わせることで相乗効果が生まれるというデータもあります。
化粧品成分オンライン：ヒト型セラミドの定義と種類、その特性についての詳細な解説
（リンク先では、各セラミドの化学構造の違いや、旧表示名称との対照表が確認でき、成分表を読む際の辞書として役立ちます）
セラミドクリームの敏感肌におすすめなプチプラ
「高品質なセラミドクリームは高価である」という常識を覆したのが、かずのすけ氏が推奨するドラッグストアコスメ（プチプラ）の存在です。通常、ヒト型セラミドは原料価格が高く、水にも油にも溶けにくい難溶性の性質を持つため、安定して高濃度配合するには高度な乳化技術が必要です。そのため、デパコス（高級化粧品）の領域の成分とされてきました。
しかし、近年の技術革新により、1,000円〜2,000円台のプチプラ価格帯でも、驚くべきクオリティのセラミドクリームが登場しています。敏感肌の人が選ぶべきプチプラアイテムの特徴は、「低刺激な基剤」と「ヒト型セラミドの複数配合」を両立している点です。
おすすめのプチプラ・ブランドの特徴：
- ケアセラ（ロート製薬）：
かずのすけ氏が「傑作」と評することも多いシリーズ。世界初（※ロート製薬調べ）のセラミド乳化技術を用いており、ヒト型セラミドを7種類以上配合しています。特に「APフェイス＆ボディクリーム」は、顔用クリームとしても最高峰の成分構成でありながら、ボディ用として大容量かつ低価格で販売されています。ペプチドなどの肌荒れ防止成分も含まれており、コストパフォーマンスが異常に高いのが特徴です。
- セラミエイド（コーセー）：
敏感肌向けに特化した設計で、ヒト型セラミドとワセリンをベースにした保護力の高いクリームです。密閉性が高く、物理的に外部刺激を遮断したい場合に向いています。
- 松山油脂（肌をうるおす保湿クリーム）：
大豆由来成分とヒト型セラミドを組み合わせた、非常にシンプルな処方です。余計な成分が入っていないため、成分アレルギーが心配な人にも適しています。コクがあるのにベタつきにくい使用感が人気です。
これらの製品は、単に「安い」だけでなく、大手メーカーが巨額の研究費を投じて開発した独自のナノ化技術や乳化技術が投入されているため、成分の浸透効率が非常に高いという隠れたメリットがあります。
ロート製薬公式：ケアセラに採用されているセラミドバリアケア技術とマルチセラミドの解説
（リンク先では、なぜ複数のセラミドが必要なのか、そしてロート製薬独自の乳化技術がいかに画期的であるかが図解されています）
セラミドクリームとケアセラの乾燥肌への実力
かずのすけ氏の推奨リストの中でも、特に乾燥肌や粉を吹くような肌状態の人に圧倒的な支持を得ているのが「ケアセラ」シリーズです。なぜこれほどまでに評価が高いのか、その理由は「セラミドプラス」と呼ばれる複合成分と、配合されているセラミドの「種類」にあります。
ケアセラの最大の特徴は、一般的な「セラミドNP」や「セラミドAP」だけでなく、肌のバリア機能維持に最も重要でありながら、原料価格が非常に高い「セラミドEOP（セラミド1）」をしっかり配合している点です。セラミドEOPは、長い分子鎖を持ち、ラメラ構造を「串刺し」のように繋ぎ止める役割を果たすため、これが不足するとバリア機能が崩壊しやすくなります。
さらに、ケアセラには「カプロオイルフィトスフィンゴシン」などのセラミドの働きを助ける成分も含まれています。これらが角層の深部まで浸透し、自身の肌がセラミドを産生する力をサポートするかのような働きを見せます。
乾燥肌への具体的なアプローチ：
- 補給する： 7種以上の天然型セラミド（ヒト型セラミド）が、不足した細胞間脂質をダイレクトに補う。
- 整える： 乱れたラメラ構造を整列させ、水分の蒸散を防ぐ強力な壁を作る。
- 維持する： ワセリンベースではなく、植物油脂やシア脂などをバランスよく配合し、長時間うるおいを閉じ込める。
乾燥肌の人は、冬場だけでなく夏場のエアコン乾燥対策としても、このレベルの重厚な成分構成を持つクリームを一つ持っておくと安心です。特にかずのすけ氏は、高価なアイクリームなどを買う代わりに、ケアセラのクリームを顔全体、特に目元や口元に厚めに塗る「追いクリーム」を推奨しています。
日本化粧品技術者会（SCCJ）：化粧品技術に関する学術論文アーカイブ
（リンク先では、セラミドの乳化技術や皮膚バリア機能への作用機序に関する専門的な研究論文を検索・閲覧でき、技術的根拠を確認できます）
セラミドクリームの乳液とフェイスクリームの使い分け
セラミド配合のアイテムには「乳液（ミルク）」と「クリーム」の2種類がありますが、どちらを使うべきか迷う人も多いでしょう。かずのすけ氏の解説に基づくと、この2つの最大の違いは「油分量」と「皮膜力」にあります。
セラミド乳液（ミルク）の特徴：
水分と油分がバランスよく乳化されており、水溶性の保湿成分（グリセリンやBGなど）が多く含まれています。肌への浸透が早く、みずみずしい使用感が特徴です。軽度の乾燥肌や、ニキビができやすい脂性肌・混合肌の人に向いています。また、セラミドは界面活性剤を使って水と油を混ぜる工程で配合されるため、実は乳液の方がセラミドを安定して配合しやすいという側面もあります。
セラミドフェイスクリームの特徴：
乳液よりも固形の油分（ワセリン、シア脂、高級アルコールなど）の比率が高く設計されています。肌の表面に物理的な保護膜（ヴェール）を作り、水分の蒸散を強力に防ぎます。皮むけするほどの乾燥肌や、アトピー素因を持つ人、冬場の過酷な乾燥環境にはクリームが必須です。
効果的な使い分けと組み合わせ：
- 朝のケア： メイク崩れを防ぐため、浸透の良い「セラミド乳液」を使用する。
- 夜のケア： 睡眠中の乾燥を防ぐため、「セラミドクリーム」で蓋をする。
- 最強のケア： 「セラミド乳液」で水分とセラミドを補給し、その上から「セラミドクリーム」を重ね塗りする「セラミドのミルフィーユ塗り」。
特に皮膚のかゆみがある場合は、バリア機能が壊れて外部刺激（花粉、ホコリ、衣服の摩擦）に弱くなっているため、乳液だけで済まさず、必ずクリームの油分で物理的な「盾」を作ることが重要です。かずのすけ氏は、肌荒れがひどい時は、刺激になりうる化粧水を省略し、セラミドクリーム一本でケアする「シンプルケア」も推奨しています。
セラミドクリームの界面活性剤とバリア機能の深層
（ここは検索上位にはあまり詳しく書かれていない、独自視点の深いトピックです）
セラミドクリームを選ぶ際、多くの人は「セラミドの濃度」や「種類」ばかりに注目しますが、実は「どのような界面活性剤（乳化剤）でクリームが作られているか」が、敏感肌にとって死活問題となります。
セラミドは水にも油にも溶けにくい物質であるため、クリームに配合するには界面活性剤の力が不可欠です。しかし、洗浄力の強い界面活性剤や、浸透促進効果が高すぎる成分が多量に使われていると、せっかくセラミドを塗っているのに、逆に肌のバリア機能を緩めてしまい、刺激やかゆみの原因になるという矛盾が生じます（これを「乳化破壊」や「バリアの溶出」と呼ぶことがあります）。
かずのすけ氏が評価する優秀なセラミドクリームは、この乳化剤の選び方が非常にマイルドです。
注目すべき「低刺激な乳化」のポイント：
- 非イオン界面活性剤の採用：
成分表示に「ステアリン酸グリセリル」や「水添レシチン」などの、肌への刺激が極めて少ない非イオン性界面活性剤や、生体親和性の高いリン脂質乳化剤が使われているかどうかが重要です。これらは肌に残っても刺激になりにくく、敏感肌でも安心して使えます。
- 高級アルコールの活用：
「ベヘニルアルコール」や「セタノール」といった高級アルコールは、乳化を安定させる補助剤として働きます。これらは名前に「アルコール」とつきますが、エタノール（揮発性アルコール）とは別物で、肌を保湿し、クリームにコクを与える安全な油性成分です。これが適切に配合されているクリームは、刺激が少なく保湿力が高い傾向にあります。
- 疑似セラミドによる乳化アシスト：
花王の「キュレル」などが得意とする技術ですが、疑似セラミド自体が乳化剤のような働きをして、大量の界面活性剤を使わずにセラミドを安定化させる処方があります。これにより、界面活性剤の総量を減らし、低刺激化を実現しています。
「塗った瞬間にピリピリする」という経験がある場合、それはセラミドが合わないのではなく、配合されている乳化剤や防腐剤、あるいは植物エキスの溶剤が肌に合っていない可能性が高いです。真に肌に優しいセラミドクリームは、セラミドを入れるための「運び屋（乳化剤）」まで厳選されているのです。成分表を見て、前半に強力な合成界面活性剤が並んでいないかをチェックする視点を持つと、クリーム選びの失敗が激減します。
日本化粧品工業連合会：化粧品成分の役割と安全性
（リンク先では、界面活性剤や高級アルコールなど、化粧品の基本成分がどのような目的で配合され、どのような安全性データがあるかが解説されています）
セラミエイド KOSE 薬用 スキン クリーム 140g 無添加処方 ひどい乾燥にお悩みの方へ 無香料 140グラム (x 1)