

顔の赤みやかゆみが気になって治療を検討しているなら、自費で数万円を払う前に保険診療で受けられる可能性があります。
毛細血管拡張症とは、皮膚のごく表面近くにある毛細血管が何らかの原因で拡張し、肉眼で赤い線や網目状に見える状態のことです。特に小鼻まわり・頬・眉間などの顔の中心部に出やすく、気温差・飲酒・紫外線・ホルモンバランスの乱れなどが悪化要因として知られています。
重要なのは「かゆみ」との関係です。純粋な毛細血管拡張症(原発性)は、基本的に痛みもかゆみもありません。ニキビのような凹凸もなく、赤みだけが続く状態が特徴です。これがポイントです。
一方、同じように顔が赤くなる「酒さ(しゅさ)」は、ヒリヒリ感・かゆみ・ほてり感を伴うことが多く、ニキビのような丘疹や膿疱が混じる場合もあります。顔が赤くてかゆい場合、それは酒さである可能性が高く、Vビームレーザーは保険適用外・自由診療になります。
つまり、今感じている「かゆみ」の原因がどちらにあるのかを正確に診断してもらうことが、治療費を大きく左右します。自己判断で「毛細血管拡張症だから保険が使える」と思い込んでクリニックに行くと、思わぬ出費になる可能性があります。まず皮膚科で正確な診断を受けることが原則です。
かゆみの有無だけでなく、肌の凹凸・炎症の有無・発症時期なども診断の判断材料になります。気になる症状があれば、自己判断せずに皮膚科専門医に相談するのが一番の近道です。
参考:毛細血管拡張症と酒さの症状・治療法の違い(大阪梅田形成外科クリニック)
https://osaka-aza.com/telangiectasia-rosacea/
保険が使えるかどうかは、3つの条件を同時に満たす必要があります。これが条件です。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| ①診断名 | 毛細血管拡張症・単純性血管腫・乳児血管腫のいずれかと医師が診断 |
| ②使用機器 | 厚生労働省が認可した機器(Vビームなど)のみ使用 |
| ③照射間隔 | 3ヶ月以上の間隔を空けること |
この3条件のうち1つでも外れると、保険適用は認められません。たとえ毛細血管拡張症と診断されていても、3ヶ月未満の間隔で照射を希望した場合は自由診療扱いになります。厳しいところですね。
費用の目安(保険適用・3割負担の場合)は以下のとおりです。
自由診療だと同じVビームを使って顔全体で1回3万〜5万円が相場です。3割負担の保険診療と比べると、同じ施術でも支払いが約3〜5倍になります。保険適用に気づかないまま自費で通い続けると、5回治療しただけで差額が最大20万円以上になる場合もあります。これは使えそうです。
なお、保険診療の料金は厚生労働省が定めた診療報酬点数で全国一律のため、クリニックによって変わることはありません。VビームⅡもVビームPrimaも同じ料金で受けられます。
参考:厚生労働省令和6年度診療報酬改定の概要(公式PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001251534.pdf
保険適用で毛細血管拡張症のVビーム治療を受ける場合、3ヶ月に1回しか照射できないというルールがあります。1回の施術時間自体は照射範囲にもよりますが、おおむね10分程度で終わります。
治療回数の目安は以下のとおりです。
毛細血管拡張症であれば、保険診療で2〜5回とすると、治療期間は「3回なら6ヶ月・5回なら1年」が目安です。一方、自由診療(自費)の場合は2〜4週間間隔での照射が可能なため、5回でも2ヶ月半程度で終わります。つまり、保険か自費かで治療期間に最大6倍の差が出る計算です。
どちらが向いているかは、生活状況と優先順位で変わります。
なお、保険診療でも照射回数に上限はありません。3ヶ月間隔を守れば何回でも保険が適用されます。長期にわたって通い続けることが可能です。これは大きなメリットです。
かゆみが強くて日常生活に支障が出ている方は、酒さの可能性も考えて内服薬(保険適用あり)との組み合わせを医師に相談するのも一つの方法です。レーザーだけにこだわらず、塗り薬や内服で症状を抑えながら治療を進めるケースもあります。
参考:Vビーム治療が保険適用になる条件を詳しく解説(皮ふと子どものあざクリニック)
https://aza-kids.jp/column/bruise/2428/
Vビームは「輪ゴムで弾かれる程度」の痛みと言われており、麻酔クリームなしで受けられる方が多いです。ただし、治療後には一定のダウンタイムがあることを知っておく必要があります。
施術直後から数日間に起こりやすい症状は以下のとおりです。
内出血が出ると一時的に顔が紫色になることがあります。これは治療が効いているサインでもありますが、人によっては2週間ほど目立つ状態が続く場合もあります。仕事の都合や大事なイベントの前後に治療日を設定する場合は、余裕をもったスケジュールが必要です。
治療後の過ごし方で大切なのは「紫外線対策」と「保湿」の2点です。照射後の肌は紫外線の影響を受けやすく、色素沈着を起こすリスクが高まります。日焼け止め・日傘の使用を徹底し、1〜2週間は強い日差しへの露出を避けることが推奨されています。紫外線対策は必須です。
また、施術当日は入浴(湯舟)・激しい運動・飲酒を避けることが基本です。体温が上がると照射部位の炎症が悪化しやすくなるためです。シャワーや洗顔は翌日から可能なケースが多いですが、担当医の指示を必ず確認してください。
かゆみや痛みが治療後に強くなる場合、または2週間を過ぎても症状が改善しない場合は、自己判断でケアを続けず、受診したクリニックに相談してください。
参考:Vビームの効果・経過(ダウンタイム)・副作用について(川崎たにぐち皮膚科)
https://k-derm.net/2024/03/08/4212
保険適用でVビーム治療を受けたいと思っても、すべてのクリニックが保険診療に対応しているわけではありません。これは意外ですね。美容クリニック・美容外科は原則として自由診療のみを行っているため、保険適用を希望する場合は「皮膚科専門医」が在籍するクリニックを選ぶことが大切です。
クリニック選びで確認すべきポイントをまとめます。
「保険が使えると思って行ったのに、自由診療しか対応していなかった」というケースは少なくありません。電話1本で確認できるため、予約前に必ず問い合わせることをおすすめします。
また、同じ毛細血管拡張症でも、酒さを合併していたり、複数の原因が混在する場合は、保険適用部分と自由診療部分が混在する「混合診療」の問題が発生することがあります。どの部分が保険で、どの部分が自費なのかを事前にはっきり説明してくれるクリニックかどうかも、選ぶ際の目安になります。説明の丁寧さが条件です。
治療にかかる総費用を比較したい場合は、複数のクリニックでカウンセリングを受けて見積もりを取る方法も有効です。保険診療の場合は料金が全国一律なので価格比較は不要ですが、自由診療の場合はクリニックによって料金設定が大きく異なります。
毛細血管拡張症による顔の赤みは自然には改善しません。適切なクリニック選びと正確な診断が、最短・最安で治療を終わらせるための第一歩です。
参考:毛細血管拡張症(赤ら顔)の治療・保険適用について(アイシークリニック池袋院)
https://ic-clinic-ikebukuro.com/menu/telangiectasia/