

かきむしった傷跡にアットノンを塗り続けても、実はかゆみが悪化するだけの場合があります。
アットノンを使い続けているのに「全然よくならない」という声は、実はよく聞きます。しかしその多くは、薬が悪いのではなく使う条件が合っていないことが原因です。
アットノンEXの効果が確認されている傷跡は、<strong>できてから1〜2年以内で、赤みや盛り上がりが残った状態のものです。この条件からはずれると、効果を感じにくくなります。
具体的に効果が出にくいケースは以下の通りです。
| 条件 | アットノンの効果 |
|---|---|
| 傷跡ができて1〜2年以内・赤みあり | ✅ 効果が期待できる |
| 2年以上前の傷跡(古い傷) | ⚠️ 効果を感じにくい・時間がかかる |
| 色素沈着(茶色いシミ状) | ❌ 効果なし(公式も認めていない) |
| かさぶた・ジュクジュク状態 | ❌ 使用不可(出血リスクあり) |
| ケロイド・肥厚性瘢痕が進行した状態 | ⚠️ 皮膚科での治療が適切 |
特に注意が必要なのは「色素沈着(茶色いシミ)」への使用です。アットノンに含まれるヘパリン類似物質には、色素沈着を改善する働きは認められていないと小林製薬の公式サイトおよび薬剤師解説でも明示されています。かきむしり後の茶色い跡にアットノンを使い続けても、残念ながら見た目は変わりません。
また、かさぶたができた状態は傷がまだ治っている途中です。この段階でアットノンを塗ると、ヘパリン類似物質の血液凝固を妨げる作用で傷口が再び出血するリスクがあるため、使用してはいけません。「早く治したい」という気持ちでかさぶたに塗ることは逆効果になるということですね。
つまり傷跡のタイプを見極めることが条件です。
参考:アットノン使用できる傷跡について(小林製薬公式)
https://www.kobayashi.co.jp/brand/atnon/faq/
アットノンは「ちょっと塗って終わり」では効果が出ません。これが「効かない」と感じる2つ目の大きな理由です。
公式が推奨する使い方は、1日1〜数回、患部にしっかりすりこんで継続することです。効果を感じるまでの期間には個人差があり、早い人でも数日、多くの場合は1ヶ月近くかかる場合があります。1本(15g)を使い切るまで続けることが目安とされています。
ただし、5〜6日間使用しても症状にまったく変化がない場合は使用を中止し、薬剤師や医師に相談するよう添付文書でも案内されています。変化の「サイン」として見るべきポイントは次の通りです。
これらのどれかを感じれば、アットノンが効き始めているサインです。焦って量を増やしても効果は変わりません。1日数回の塗布を丁寧に続けることが基本です。
塗る頻度については、多すぎても少なすぎても意味がありません。「1日数回」という指示を守り、1回ごとに指で丁寧にすりこむことが重要です。「ちょっと気になった時だけ塗る」という習慣だと1本を使い終わる前に効果を諦めてしまいやすいため、習慣化することが大切です。継続が条件です。
参考:アットノン 効果が出るまでの期間(小林製薬公式 FAQ)
https://www.kobayashi.co.jp/cgi-bin2/qa/detail.pl?goods=1255&id=14
「かゆくて仕方ないからアットノンを塗った」という方はよくいます。しかし、通常のアットノンEXジェルやクリームには、かゆみ止め成分が入っていません。これは見落としがちなポイントです。
かゆみの原因はヒスタミンという物質です。皮膚が損傷を受けると、炎症を伝えるためにヒスタミンが肥満細胞(マスト細胞)から分泌され、かゆみを引き起こします。そしてかゆくて傷跡をかいてしまうと、その刺激でさらにヒスタミンが分泌され、傷跡がより悪化するという悪循環に入ってしまいます。
聖マリアンナ医科大学形成外科学教室主任教授・梶川明義先生も次のように述べています。「かゆみによって傷跡をひっかいてしまうと、その刺激によってさらにヒスタミンの分泌を促し、掻きこわしなどにより余計に目立つ傷跡を作ってしまうこともある」。
この問題に対応しているのが、アットノンEXかゆみ止めプラス(1,094円前後・税込)です。通常の3成分(ヘパリン類似物質・アラントイン・グリチルリチン酸二カリウム)に加え、ヒスタミンの働きを直接ブロックする抗ヒスタミン成分「ジフェンヒドラミン」が配合されています。
かゆみ止め成分が必要かどうかは、自分の傷跡の状態を見て判断します。
かゆみを我慢してかき続けるほど、傷跡は深くなり治りも遅くなります。かゆみがある段階では、かゆみを先に止めることが傷跡ケアの正しい優先順位です。これは意外ですね。
参考:かゆみを伴う傷跡ケアについて(小林製薬 医師監修コンテンツ)
【医師監修】かゆみを伴う傷跡(きずあと)の対処法|傷跡(きず…
アットノンでよくある誤用のひとつに「茶色い跡(色素沈着)に使い続ける」ケースがあります。実はこれは健康上のデメリットにはなりませんが、時間とお金のムダになります。
色素沈着(炎症後色素沈着)とは、傷やニキビ、虫刺されなどが治った後にメラニン色素が過剰に生産されて残る茶色いシミです。これはアットノンが得意とする「炎症性の赤み」とは別の状態です。ヘパリン類似物質はあくまでも血行・保湿・抗炎症に作用するものであり、メラニン色素の生成を抑制する美白成分ではありません。
色素沈着には、別のアプローチが必要です。たとえば以下のような選択肢があります。
「傷跡が茶色く残って1年以上変わらない」という場合は、アットノン系の薬よりも皮膚科に相談することを検討する価値があります。特に顔の場合、アットノンは公式に「顔面を除く(粘膜・目周囲)」という注記があるため、使用できる部位が限られる点にも注意が必要です。
なお、色素沈着は放置していても半年〜1年以内に自然に薄くなることが多いというデータもあります(巣鴨千石皮ふ科の解説より)。ただし日焼けすると悪化するため、ケアをしながら紫外線対策を同時に行うことが大切です。
参考:炎症後色素沈着について(巣鴨千石皮ふ科)
https://sugamo-sengoku-hifu.jp/symptoms/pih.html
アットノンを1本使い切っても改善がない、または傷跡のタイプが合わないとわかった場合は、次のステップを検討する時期です。
まず確認すべきことは、傷跡の状態がケロイドや肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)になっていないかどうかです。ケロイドは傷の修復過程で線維組織や血管が過剰に増殖した状態で、赤く盛り上がり、かゆみや痛みを伴うこともあります。これは市販薬での対応が難しく、皮膚科または形成外科でのステロイド局所注射や手術が適応になる場合があります。
八重洲形成外科・美容皮膚科の医師は「肥厚性瘢痕で赤みが治まっている場合、アットノンでは効果は得られない。ステロイドの局所注射もしくは切除が適応になる」と述べています。
また、薬を変えるという選択肢もあります。アットノンと同じヘパリン類似物質を含む市販薬として、ヒルマイルドクリーム(健栄製薬・60g)やHPクリーム(グラクソ・スミスクライン)なども同等の成分で対応できます。効果の差は大きくないため、使用感(ジェル・クリーム・ローション)で選ぶことができます。
現在の傷跡の状態を整理すると、以下の判断基準で動くと迷いが少なくなります。
| 状態 | 対応 |
|---|---|
| 赤み・盛り上がりあり(2年以内) | アットノンEXを1ヶ月継続 |
| かゆみあり+赤みあり | アットノンEXかゆみ止めプラスに切り替え |
| 茶色い色素沈着 | 美白ケアまたは皮膚科相談 |
| ケロイド・強い盛り上がり | 皮膚科・形成外科へ |
| 2年以上経った傷跡で変化なし | 皮膚科受診を検討 |
「5〜6日使って変化がない」は中止の目安です。その判断を怠ると、時間と費用だけが消えていきます。特に1本(15g・800〜1,000円前後)を何本も購入し続けても改善しない場合、早めに皮膚科に相談することで、より短期間・低コストで解決できるケースも少なくありません。
参考:アットノンと同成分の医療用薬(ヒルドイド)比較(八重洲形成外科・美容皮膚科)
https://yaesukeisei.com/%E5%82%B7%E8%B7%A1%E3%81%8C%E6%B6%88%E3%81%88%E3%82%8B%E8%96%AC%EF%BC%9F/

[薬用] アットノン ニキビあとケアジェル【目立って気になるニキビのあとの 肌ケア に! 3つの有効成分配合】[ 小林製薬 ] 医薬部外品 (10g)