

かゆみを我慢するだけでは、赤ちゃんのアトピーリスクが高まることがあります。
妊娠中のかゆみには複数の種類があり、それぞれ発症時期が異なります。 妊娠性痒疹は多くの場合、妊娠3〜4ヶ月(初期〜中期)に発症し、腕や足の伸側・お腹・胸・背中など広範囲に発疹とかゆみが現れます。 一方、肌が引き伸ばされることによる「妊娠性掻痒症」は発疹を伴わず、かゆみのみが出ることが特徴です。pampers+1
妊娠中のかゆみを経験するママは、全体の約2割にのぼります。 珍しい症状ではありません。
ただし、妊娠後期(7〜9ヶ月)に突然、猛烈なかゆみが現れた場合は要注意です。 「胆汁うっ滞」と呼ばれる状態の可能性があり、ホルモンの影響で消化液の流れが滞り、胆汁酸が血液を介して全身に広がって神経を刺激することでかゆみが起きます。 この場合は速やかに医師へ相談することが原則です。brands.naturaltech+1
| かゆみの種類 | 発症時期 | 主な症状 | 赤ちゃんへの直接影響 |
|---|---|---|---|
| 妊娠性痒疹 | 妊娠初期〜中期(3〜4ヶ月) | 腕・足・体幹に発疹+強いかゆみ | 基本的になし |
| 妊娠性掻痒症 | 妊娠中全般 | 発疹なし・かゆみのみ | 基本的になし |
| 胆汁うっ滞 | 妊娠後期(7〜9ヶ月) | 猛烈なかゆみ(全身) | 要医師相談 |
| アトピー悪化 | 妊娠全期間 | 湿疹・かゆみの再燃・悪化 | ストレスが間接的に影響 |
「かゆみは赤ちゃんに直接は関係ない」と思っている方が多いですが、実はそれだけでは済まない場合があります。つまり、かゆみによって引き起こされるストレス反応が問題なのです。
東京大学の研究チームが発表した研究では、妊娠中にストレスを受けたマウスから生まれた子マウスは、わずかな刺激にも敏感に反応するようになることが確認されています。 そのメカニズムは、ストレスホルモンが羊水中に増加し、胎児の「神経」と「免疫」のつながりに異常をきたすという経路です。
これは人間にも応用できる可能性がある知見です。 意外ですね。
さらに別の研究では、妊娠中に睡眠障害を経験した母親から生まれた子どもは、アトピー性皮膚炎のリスクが17%上昇するというデータもあります。 かゆみによる夜間の睡眠不足が積み重なると、それ自体がアトピーリスクを高める要因になりうるということです。
眠れないほどのかゆみが続く場合は、早めに皮膚科や産婦人科に相談することが大切です。 放置は禁物です。
参考:妊娠中のストレスと赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の関係について、東京大学ライフサイエンス統合データベースセンターが詳しく解説しています。
妊娠中の母親のストレスが小児アトピー性皮膚炎の原因?? - 東京大学
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎は、早ければ<strong>生後1〜2ヶ月頃から湿疹が始まります。 最初は頭部・顔面に赤みやジクジクした湿疹が現れ、その後、首や体へと広がっていくパターンが典型的です。 顔をひっかいたり、布団にこすりつけたりする仕草が目立ち始めたら、要注意のサインです。
参考)アトピーについて
アトピーの診断が確定するのは一般的に2歳以降です。 生後2〜3ヶ月頃に発疹が見られても、月齢が低い段階では乳児湿疹との区別がつきにくいため、まずは対症療法で経過観察となることが多いです。
アトピーと診断されるには症状が「1歳未満なら2ヶ月以上、それ以上の年齢では6ヶ月以上」繰り返すことが条件のひとつです。 これが条件です。
参考)子どものアトピー性皮膚炎|アトピーのみかた|製薬会社のマルホ
参考:子どものアトピー性皮膚炎の年齢別症状や診断の詳細を製薬会社が分かりやすくまとめています。
「生まれてから様子を見ればいい」と考えている方も多いですが、実はそれが手遅れになることがあります。新生児から保湿を開始することで、アトピー発症リスクが約30%低下するというデータがあります。
参考)アトピーは妊娠中に悪化するって本当?スキンケアのポイントと赤…
これは使えそうです。
なぜ保湿がそこまで重要かというと、赤ちゃんの肌のバリア機能は生まれた直後がもっとも弱い状態だからです。 バリアが壊れた状態で外部のアレルゲン(ダニ・花粉など)が皮膚から入り込むと、アレルギー感作が起こりやすくなります。 保湿剤で肌を守ることは、アレルゲンの侵入を物理的にブロックするという意味があります。osadaclinic+1
保湿ケアの基本をまとめると以下のとおりです。
アトピーリスクが気になる場合は、かかりつけの小児科・皮膚科に相談しながら保湿剤の種類を選ぶと安心です。 保湿剤選びに迷ったら、無添加・低刺激のベビーローションをひとつ用意しておくだけで始められます。tomonite+1
参考:新生児からの保湿ケアとアトピー予防の詳細について、専門医監修の記事で解説しています。
妊娠中のかゆみは我慢しがちですが、かきむしることで皮膚のバリアが壊れ、アレルゲンが体内に入りやすくなります。 その状態が続くと、赤ちゃんの免疫環境にも間接的に影響しうることがわかってきています。 対策を早めに始めることが、親子双方にとってメリットが大きいです。alo-organic+1
妊娠中のかゆみ対策として今日から実践できることは以下のとおりです。pigeon+1
妊娠中でも使用可能な保湿剤や外用薬は存在します。 「妊娠中だから何も塗れない」という思い込みは禁物で、医師に相談すれば安全なケアを選んでもらえます。 かゆみを一人で我慢し続けることこそが、最もリスクの高い選択です。pigeon+1
参考:妊娠中のかゆみの原因と対策を、神奈川県立こども医療センター皮膚科部長の馬場直子先生が解説しています。