feia法 cleia法でかゆみのアレルギー検査を正しく読む方法

feia法 cleia法でかゆみのアレルギー検査を正しく読む方法

feia法・cleia法でかゆみのアレルギー検査を正しく読む方法

検査結果が「陽性」でも、かゆみや花粉症の症状が出ていない人が実は5~6割もいる。


この記事の3ポイント要約
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FEIA法・CLEIA法とは?

どちらもIgE抗体を測定するアレルギー血液検査の方法ですが、単位と閾値が違います。FEIA法は3.5UA/mL以上、CLEIA法は13.5ルミカウント以上でクラス3と判定されます。

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ゾレア保険適用との直接の関係

重症スギ花粉症の最新注射治療「ゾレア」を保険で受けるには、FEIA法またはCLEIA法でクラス3以上が必須条件の一つです。数値次第で保険適用の可否が変わります。

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数値が高くても安心はできない

検査で陽性でも偽陽性の可能性があり、数値だけで治療を決めるのは危険です。総IgE値が1,500IU/mLを超えるとゾレアの保険適用外になるため注意が必要です。


feia法・cleia法とは:アレルギー検査の2大測定方式

かゆみや鼻水で病院を受診すると、血液検査の結果用紙に「FEIA法」「CLEIA法」という文字が記載されていることがあります。これらはどちらも血液中の「特異的IgE抗体」を測定するための免疫測定方式の名称です。難しそうな名前ですが、仕組みを理解しておくだけで、検査結果の読み方がぐっとクリアになります。


FEIA法(蛍光酵素免疫測定法)は、酵素で標識した抗体を使い、最終的に蛍光の強さで目的の物質の量を検出する方法です。蛍光顕微鏡の原理に近く、光の「輝き」を数値に変換するイメージです。一方、CLEIA法(化学発光酵素免疫測定法)は、同じく酵素標識を使いながら、蛍光ではなく「化学反応による発光(ルミネッセンス)」の量で検出します。こちらの方がより微量の物質でも検出しやすい、つまり感度が高い面があります。


つまりFEIA法とCLEIA法が基本原理です。


しかし、どちらを使うかは医療機関や検査機関によって異なり、同じ患者の血液を測っても数値の単位が変わります。 FEIA法では「UA/mL(ユニット/ミリリットル)」という単位が使われ、CLEIA法では「ルミカウント」という単位が使われます。単位が違うため、異なる機関の数値をそのまま比べてもまったく意味がありません。これは重要な点です。






















測定方式 正式名称 単位 クラス3の閾値
FEIA法 蛍光酵素免疫測定法 UA/mL 3.5 UA/mL 以上
CLEIA法 化学発光酵素免疫測定法 ルミカウント 13.5 ルミカウント 以上


アレルギー専門の医師や検査機関は、どちらの方式を使っても最終的にクラス0〜6に分類して結果を出します。クラス2以上が「陽性」とみなされますが、クラス判定が同じなら治療上の判断も基本的に同様です。クラス判定が基準です。


別の医療機関に転院したり、セカンドオピニオンを受けたりする際には、測定方式を確認した上で数値を比べることが必要です。前回の検査票を保管しておくことをおすすめします。


参考:アレルギー検査のFEIA法・クラス判定について(SRL総合検査案内)
https://test-directory.srl.info/akiruno/test/list/87


feia法・cleia法の数値が「陽性」でもかゆみが出るとは限らない理由

「血液検査でアレルギー陽性と言われたから、絶対に症状が出る」と思っている方は少なくありません。しかし実際には、すべてのアレルギー検査の約50〜60%が「偽陽性(本当はアレルギーではないのに陽性と出ること)」の可能性があると指摘されています。


これはFEIA法・CLEIA法のどちらで測定した場合でも同様です。検査で陽性でも症状なし、というケースは珍しくありません。


特に食物アレルギーでその傾向が顕著ですが、吸入系アレルゲンスギ花粉、ダニなど)でも一定割合で起こります。クラス4以上(強陽性)になるほど症状が出る確率は高くなりますが、それでも「必ず症状が出る」とは言い切れないのが現実です。


なぜこのようなことが起こるのでしょうか? IgE抗体の血中濃度が高い状態を「感作(かんさ)」といいます。感作されていても、体の状態・年齢・体調・日常的な暴露量などによって、実際にかゆみや鼻水が出るかどうかが変わります。つまり「感作 = 発症」ではない、ということです。


一方、逆のパターンも起こります。検査値が低い(クラス1〜2)にもかかわらず、実際にはかゆみや蕁麻疹が出るケースです。これは「偽陰性」と呼ばれます。検査結果と症状は必ずセットで判断することが前提です。


特に子どものかゆみや食物アレルギーで「血液検査で陽性だったから除去食を続けている」というケースでは注意が必要です。偽陽性による不要な食事制限は、むしろ発育に影響する可能性があります。血液検査の結果だけで自己判断せず、必ず専門医に相談することが条件です。


参考:アレルギー検査の信頼性と偽陽性について(一之江駅前ひまわり医院)
https://soujinkai.or.jp/himawariNaiHifu/view39-rast/


feia法・cleia法の数値とゾレア保険適用の直接の関係

FEIA法・CLEIA法の数値が特に重要になる場面の一つが、重症スギ花粉症の治療薬「ゾレア(オマリズマブ)」の保険適用判定です。毎年春になると、くしゃみが1日に11回以上止まらない、目や鼻のかゆみで仕事や睡眠に支障が出るといった重症の方がいます。そのような方にとって、ゾレアは「抗IgE抗体」として症状の根本原因をブロックできる画期的な注射薬です。


2020年より重症・最重症のスギ花粉症に対して保険適用となっており、2月から5月の花粉飛散シーズンに合わせて2〜4週間おきに皮下注射します。これは使えそうです。


ただし保険適用には厳格な条件があり、その中にFEIA法・CLEIA法の数値が直接含まれています。具体的には、スギ花粉に対する特異的IgE抗体が「FEIA法で3.5UA/mL以上(クラス3以上)または、CLEIA法で13.5ルミカウント以上」であることが必須の条件の一つです。


保険適用の全条件を整理すると、次のとおりです。



  • 🌿 重症または最重症のスギ花粉症であること(くしゃみ1日11回以上、または強い鼻づまりが続くなど)

  • 🌿 スギ花粉特異的IgE抗体がクラス3以上(FEIA法で3.5UA/mL以上 or CLEIA法で13.5ルミカウント以上)

  • 🌿 既存の抗アレルギー薬(飲み薬・点鼻薬)を1週間以上使用しても効果が不十分であったこと

  • 🌿 血清中総IgE濃度が30〜1,500IU/mLの範囲内にあること

  • 🌿 体重が20〜150kgの範囲内にあること

  • 🌿 12歳以上であること


ここでひとつ意外な落とし穴があります。重症アレルギーだからと思っていると見落としがちですが、総IgEの値が高すぎる(1,500IU/mLを超える)と、逆にゾレアの保険適用外になります。 「IgEが高いほど対象になる」わけではないのです。これは痛いですね。IgEが極端に高い方は、別の治療法の検討が必要です。


参考:ゾレアによる治療を受けるための条件(ノバルティス公式ページ)
https://www.okusuri.novartis.co.jp/xolair/pollinosis/xolair/receive-treatment


feia法・cleia法の結果でゾレア治療の費用と流れが変わる仕組み

ゾレアの保険適用が確認できた場合、次に気になるのが費用と治療の流れです。ゾレアはバイオ医薬品と呼ばれる生物学的製剤であるため、一般的な飲み薬と比べて薬価が大幅に高くなります。


保険適用(3割負担)の場合の薬剤費の目安は、1回あたり約4,500円〜約70,000円と幅があります。この幅がとても大きいのには理由があります。ゾレアの投与量は「血清中総IgE値」と「体重」の組み合わせで決まるためです。たとえば体重60kg・総IgE値100の方なら4週間に1回・1本の投与(1回約6,550円)ですが、体重が重く総IgE値が高い方は2週間に1回・複数本の投与になり、1回分の費用が数万円規模になることもあります。


1シーズン(2月〜5月頃)通じての薬剤費の合計は、3割負担で約30,000円〜70,000円程度になるケースが多いとされています。意外と大きな出費です。


ただし、1ヶ月の医療費の自己負担が一定額を超えた場合に超過分が払い戻される「高額療養費制度」の対象になる場合があります。年収約370〜770万円(区分ウ)の場合、月の自己負担上限は80,100円+(医療費−267,000円)×1%で計算されます。加入している健康保険組合によっては「付加給付制度」として月2万円以上の部分を補助してくれる場合もあるため、事前にご自身の保険証に記載されている保険者へ確認することをおすすめします。


治療の流れとしては、初診で検査薬の処方と血液検査(FEIA法またはCLEIA法を含む)を行い、約1週間後に結果を確認。条件を満たせばゾレアの投与量を決定し、予約のうえ皮下注射という流れが基本です。注射後は副作用の確認のため、しばらく院内で待機が必要なことも覚えておくとよいでしょう。


参考:ゾレアの費用と高額療養費制度について(豊洲みんなクリニック)
https://toyosu.child-clinic.or.jp/xolair/


feia法・cleia法を「正しく活用」するために知っておきたい独自の視点

ここまで読んで「そもそも、どちらの測定方式で検査すればいいの?」という疑問が生まれた方もいるかもしれません。実は、どちらを使うかを患者側が選べるわけではなく、受診した医療機関や委託している検査センターによって自動的に決まります。これが意外と知られていない点です。


重要なのは「方式の違いを知った上で、数値をどう活かすか」です。


まず、同一医療機関で経過を観察する場合は、毎回同じ測定方式で比べることが重要です。別々の方式で出た数値をそのまま比較しても、増えた・減ったの判断はできません。たとえば「昨年はFEIA法で2.8UA/mL(クラス2)だったが、今年はCLEIA法で13.0ルミカウント(クラス2)だった」という場合、数値の大きさが異なっていても、どちらも同じクラス2であり経過は横ばいと判断されます。つまりクラスで比べることが正解です。


次に、転院やセカンドオピニオンの際にはとりわけ注意が必要です。転院先で「以前の結果を見せてほしい」と言われたとき、FEIA法の数値をCLEIA法の値と勘違いしたまま比較される誤読のリスクがあります。検査結果票には方式名が記載されているので、必ず保管しておきましょう。


また、かゆみが蕁麻疹(じんましん)由来の場合、ゾレアは「慢性特発性蕁麻疹」に対しても保険適用があります。この場合は花粉症と違い、IgEの数値条件がありません。抗ヒスタミン薬を内服し続けても6週間以上かゆみや膨疹(ぼうしん)が続いている場合は、FEIA法・CLEIA法の値にかかわらず検討の対象となり得ます。かゆみが長期間続いている方は特に重要な情報です。


さらに見落とされがちなのは、ゾレア治療が対象とするのは「スギ花粉」によるものだけという点です。ヒノキやブタクサなど他の花粉に対するIgEがいくら高くても、スギ特異的IgEがクラス3未満であればゾレアの保険適用にはなりません。検査では複数のアレルゲンをまとめて調べることが多いため、「どの花粉のクラス値が何か」を正確に確認することが不可欠です。


参考:慢性蕁麻疹へのゾレア保険適用条件(久我山ハートクリニック)
https://www.kugayama-heart.com/news/1591/