

かゆみを我慢して飲み続けると、症状がかえって3倍悪化することがあります。
かゆみをなんとかしたいと思ったとき、漢方薬という選択肢を思い浮かべる人は意外に少ないかもしれません。でも、桂枝茯苓丸はしもやけや湿疹・皮膚炎による慢性的なかゆみに対して、ツムラ・クラシエなどの製品説明書にも「湿疹・皮膚炎、にきび」への効果が明記されています。
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その理由は「瘀血(おけつ)」という概念にあります。瘀血とは、漢方医学で言う血の巡りが滞った状態のことです。 血流が悪いと皮膚の末端まで栄養が届かず、乾燥や炎症が起きやすくなります。つまり表面のかゆみは、根本的な血行不良のサインであることも多いのです。
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桂枝茯苓丸に含まれる5種の生薬(桂皮・茯苓・牡丹皮・桃仁・芍薬)が血管を拡張し、末梢の血液循環を改善します。 特に桂皮には発汗・解熱・鎮痛作用があり、皮膚への栄養供給を助けて細胞の新陳代謝を促進する働きがあるとされています。yojo.co+1
血流が整うと、結果的に皮膚の炎症が落ち着き、かゆみが軽減するという流れです。これが基本です。
ただし、すべてのかゆみに桂枝茯苓丸が合うわけではありません。次の項目で体質との相性を確認しましょう。
桂枝茯苓丸が効く人には、いくつかの共通した特徴があります。端的に言うと「比較的体力があり、のぼせやすいのに足元は冷える」タイプです。 顔が赤みがかり、下腹部に張りや圧痛がある人に向くとされています。
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以下の特徴に当てはまるか確認してください。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 体格がしっかりしている(中等度以上の体力) | 体が細く、疲れやすい虚弱体質 |
| 顔がのぼせやすい・赤ら顔 | 冷えが強く、顔色が青白い |
| 足先が冷える「冷えのぼせ」タイプ | 全体的に冷えていて血色が悪い |
| 下腹部に張り・圧痛がある | 妊娠中(禁忌) |
| しもやけ・湿疹・慢性かゆみがある | 胃腸が極端に弱い |
虚弱体質や冷え体質が強い人が桂枝茯苓丸を飲んでも、期待した効果が出にくいどころか、胃腸への負担が増える場合があります。 その場合は「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」など、より虚証向けの漢方薬が適していることがあります。
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自分の体質が判断しにくい場合は、漢方専門の薬剤師や医師に相談するのが確実です。オンライン診療でも処方を受けられるクリニックが増えています。
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「飲んですぐ効く」と期待している人は多いですが、桂枝茯苓丸は即効性のある薬ではありません。一般的に効果が実感できるまでの目安は1〜2ヶ月程度です。
参考)桂枝茯苓丸加薏苡仁の美容効果とは?効果が出るまでの期間も解説…
正しい飲み方の基本を押さえておきましょう。
継続が基本です。ただし、飲み始めてから発疹・かゆみの悪化・胃の不快感が強くなった場合は、副作用の可能性があるためすぐに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
参考)【漢方】桂枝茯苓丸の効果・副作用を医師が解説 - オンライン…
なお、市販薬(ツムラ・クラシエなど)と処方薬では成分量が異なる場合があります。 市販品でも効果は期待できますが、症状が重い場合や長期服用を考えている場合は、保険診療での処方を検討するのが賢明です。
参考)桂枝茯苓丸は市販で買える?効果や副作用、飲み方、処方薬との違…
桂枝茯苓丸をベースに、薏苡仁(よくいにん)を加えたのが「桂枝茯苓丸加薏苡仁(ツムラ125番)」です。かゆみや湿疹、肌荒れが主な悩みであれば、こちらの方が適していることがあります。
薏苡仁とはハトムギの種子のことで、利湿・排膿・生肌作用があるとされています。 平たく言うと、皮膚の炎症を抑え、傷んだ肌の修復を助ける働きです。
参考)https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=26027
実際の臨床では、アトピー性皮膚炎に似た全身のかゆみ・皮疹に対して、桂枝茯苓丸加薏苡仁を約8週間継続したところ皮疹が徐々に改善し、約33週間後にほぼ完治に至った症例が報告されています。
参考)https://sakanoue-clinic.jp/medical/cases/Prurito/prurito1_j.html
意外ですね。
ただし同じ症例報告では、服用開始から8週間目に一時的に皮疹が増悪する時期があったことも記されています。 これは「瞑眩(めんけん)」と呼ばれる好転反応の可能性もありますが、判断が難しいため、自己判断で続けるのは危険です。皮疹が増えた場合はすぐに専門家へ相談するのが条件です。
かゆみ・湿疹が主症状であれば、まず桂枝茯苓丸加薏苡仁について皮膚科または漢方専門医に相談することを検討してみてください。
参考:桂枝茯苓丸の加味方によるアトピー性皮膚炎の全身そう痒症改善症例(坂上内科)
https://sakanoue-clinic.jp/medical/cases/Prurito/prurito1_j.html
ここが最も重要な部分です。
桂枝茯苓丸を飲んでいるのにかゆみが治まらない、あるいはかゆみが増したという場合、大きく分けて2つの可能性があります。
可能性① 好転反応(瞑眩)
漢方薬が効いている過程で一時的に症状が悪化することがあります。一般に服用後、比較的短期間(1〜2週間以内)に現れ、その後改善に向かうことが多いとされます。
可能性② アレルギー反応(副作用)
桂枝茯苓丸に含まれる生薬に対してアレルギーが起きると、発疹・発赤・かゆみが現れることがあります。 これは飲み続けると悪化するリスクがあります。kenkatsu+1
| 判断のポイント | 好転反応の可能性 | 副作用の可能性 |
|---|---|---|
| 出現タイミング | 服用開始から数日〜2週間以内 | 服用開始から1ヶ月以上経ってから、または急激に |
| かゆみの範囲 | もともとの症状部位 | 全身に広がる・新しい部位 |
| その他の症状 | 特になし | 黄疸・倦怠感・食欲低下を伴う |
| 対処 | 様子を見つつ専門家に相談 | 即中止して医療機関を受診 |
肝機能障害はまれですが、桂枝茯苓丸の重篤な副作用として報告されています。 体がだるい・皮膚や白目が黄色くなるといった症状が現れたときは、直ちに服用を中止してください。これだけは例外です。
なお、同じ漢方薬を複数購入して飲み合わせる行為も危険です。前述の臨床例では、別の漢方薬局の処方と組み合わせた結果、かゆみが全身に広がる症状が引き起こされた可能性が示されています。 漢方薬を複数使う場合は、必ず医師や薬剤師に確認に注意すれば大丈夫です。