

頭皮のかゆみや乾燥が続いているのに、シャンプーだけ変えても改善しない原因は「内側のコラーゲン不足」かもしれません。
「コラーゲンは肌のもの」というイメージが一般的ですが、実は頭皮にも深く関わっています。頭皮も皮膚の一部であり、その真皮の約70%はコラーゲンで構成されています。ここにハリと弾力があると、毛根周辺の毛細血管が圧迫されず、髪の成長に必要な栄養が届きやすくなります。
つまり、頭皮のコラーゲンが不足すると「栄養が毛根まで届かない状態」が生まれやすくなります。
一方で、「コラーゲンを飲んでも体内でアミノ酸に分解されてしまうから意味がない」という話を聞いたことがある方も多いでしょう。これは半分正解で、半分は古い情報です。通常の高分子コラーゲンについては吸収されにくいのは事実ですが、コラーゲンペプチドは酵素処理によって分子を非常に小さくしてあるため、体内での吸収率が高く、血中を循環して皮膚・頭皮・関節などのターゲット部位に届くことが複数の研究で確認されています。
FANCLの研究をはじめ、経口摂取したコラーゲンペプチドが実際に皮膚に届くことを示すデータが積み重なっており、「コラーゲン=意味がない」という通説は現在では否定されつつあります。これは使えそうです。
コラーゲンペプチドが体内に吸収されると、毛乳頭(毛母細胞)に働きかける可能性があると考えられています。毛乳頭は髪の元になる細胞を活性化させる司令塔のような部位で、ここへの刺激が髪の成長サイクルを整える鍵となります。なお、「コラーゲンを飲むと直接毛が生える」というわかり方は誤解で、あくまで頭皮環境の土台を整えることで、髪が育ちやすい状態に近づくという間接的なメカニズムです。
コラーゲン不足は20代後半〜30歳頃から始まるとされており、体内のコラーゲン産生量が年々低下することで、頭皮の乾燥・かゆみ・薄毛といった悩みが連鎖しやすくなります。コラーゲンペプチドによる補給は、その低下を補う手段の一つとして位置づけられています。
▶ コラーゲンと薄毛・頭皮の関係:AGAケアクリニック(医師監修)
「なんとなく良さそう」という感覚論ではなく、実験データとして髪への効果が報告されていることが、コラーゲンペプチドの注目される理由です。まず押さえておきたいのは、以下の3つの主要な研究知見です。
| 研究・出典 | 内容 | 期間・対象 |
|---|---|---|
| 日本美容皮膚科学会(2008年) | コラーゲンペプチド摂取グループの髪が非摂取グループと比べて<strong>1.5倍太くなった | 健康な成人女性を対象に8週間 |
| 森永製菓・研究発表(2019年) | 1日10,000mg(10g)を8週間継続摂取で、「抜け毛が少なくなった」「毛が丈夫になった」という自覚評価が向上 | VAS評価法による主観的効果確認 |
| Peptan®(ルスロ社)臨床試験 | 1日5gを90日間摂取で、毛髪の強度(切断時応力)が上昇する傾向 | 30名の女性を対象 |
ここで重要な点は、1.5倍という数字はあくまでも「太さの比較」であり、誰でも同様の結果が保証されているわけではありません。個人差・年齢・生活習慣の影響も大きいです。ただ、複数の独立した研究が同じ方向性の結果を出している点は、信頼性の根拠になります。
また、魚皮膚由来の低分子コラーゲンペプチドを使ったマウス実験(韓国・Journal of Microbiology and Biotechnology 2023年)では、経口投与13日後の発毛面積が生理食塩水グループと比べて有意に増加し、毛包数も増加したことが確認されています。注目すべきは、コラーゲンペプチドグループの毛包数がミノキシジル(育毛剤として承認されている外用薬)と同程度の値を示した点です。動物実験ですのでヒトへの直接的な適用には慎重な解釈が必要ですが、可能性として興味深い結果です。
主観的なアンケートでも、コラーゲンペプチドを摂取した女性たちは「まとまり」「ツヤ」「なめらかさ」「しっとり感」「指どおり」すべての項目で改善を実感したと報告されています。これも重要なデータです。
なお、日常の食事から1日5〜10gのコラーゲンを摂るのは現実的に難しく、たとえば鶏手羽元なら1日に250〜500g食べ続ける必要があります。500gといえばスーパーの鶏手羽元パック1袋強に相当し、それを毎日食べるのは非現実的です。サプリメントでの補給が現実的な選択肢となる理由がここにあります。
▶ 森永製菓「コラーゲンペプチドの継続摂取と毛髪への影響」公式研究発表
頭皮のかゆみや乾燥は、単に「水分不足」だけが原因ではありません。頭皮の真皮層でコラーゲンが減少すると、皮膚のクッション性・弾力性が低下し、バリア機能も弱まります。バリア機能が落ちると外部からの刺激(紫外線・乾燥・洗浄成分など)が皮膚の内部に入り込みやすくなり、炎症やかゆみとして現れる、というのが仕組みです。
コラーゲンペプチドが重要なのはここです。
コラーゲンペプチドを摂取し体内のコラーゲン産生が促進されると、頭皮の真皮層にハリと保湿性が戻り、バリア機能が維持されやすくなります。また、コラーゲンはヒアルロン酸の産生を助ける働きも示唆されており、頭皮の内側から保水力を高めることで、慢性的な乾燥かゆみの改善につながる可能性があります。
注目したいのが「17型コラーゲン」という種類の存在です。通常の食品・サプリで摂るI型・III型コラーゲンとは異なり、17型コラーゲンは毛包幹細胞を保護する役割があるとされ、研究が進んでいます。東京大学の研究グループによると、17型コラーゲンは毛包幹細胞の表面に結合することで機能を発揮するものであり、サプリを飲んで17型コラーゲンを直接補給しても同一の効果は得られません。これは広告を見る際に頭に置いておきたい情報です。
一方、コラーゲンペプチドに含まれるアミノ酸(特にグリシン・プロリン・ヒドロキシプロリン)は、頭皮の細胞が新陳代謝を行う際の材料として活用されます。頭皮細胞の代謝が正常に行われると、角質層の水分保持能力が高まり、乾燥かゆみが起こりにくい環境が整います。
頭皮の乾燥やかゆみに悩んでいる場合、内側からのコラーゲンペプチド摂取と合わせて、保湿成分(ヒアルロン酸・コラーゲン配合)入りの頭皮ローションを就寝前に使うことで、外側と内側からのダブルアプローチが期待できます。「アウトケアだけで解決しようとしている」という方は、このインナーケアの視点を加えてみるとよいでしょう。
▶ 肌・髪質の改善におけるコラーゲンペプチド有効性の詳細(ユニテックフーズ研究資料)
せっかくコラーゲンペプチドを取り入れるなら、飲み方で損をしたくないですね。研究データから導き出された目安と、吸収率を上げる組み合わせについて整理します。
1日の推奨摂取量の目安:
| 目的 | 摂取量の目安 | 摂取タイミング |
|------|-------------|--------------|
| 髪・肌の美容ケア | 5〜10g/日 | 就寝前または朝食時 |
| 頭皮環境の改善(集中的) | 10g前後/日 | 毎日継続(8週間以上) |
| 関節・腱のサポート | 5〜10g/日 | 運動30〜60分前 |
皮膚科医・藤田保健衛生大学の赤松浩彦教授も「ヒト試験で論文報告されている1日5〜10gが目安」としており、複数のエビデンスと一致しています。日本人女性の食事からのコラーゲン平均摂取量は約1.7gとされているため、食事だけでは明らかに不足しています。毎日の食事の不足分をサプリメントや機能性ドリンクで補う考え方が基本です。
コラーゲンペプチドの効果を高めるために重要なのが、ビタミンCとの同時摂取です。ビタミンCは体内でのコラーゲン合成を助ける補酵素として機能しており、コラーゲンペプチドだけを飲むよりも、ビタミンCを合わせて摂ることで、コラーゲン産生が促進されやすくなります。ビタミンCと亜鉛、コラーゲンペプチドを組み合わせることが条件です。
摂取タイミングと継続の重要性について:
コラーゲンペプチドは摂取後30〜60分で体内に吸収されますが、24時間後には血中から消えてしまうことが確認されています。そのため「飲んだり飲まなかったり」という不規則な摂取では効果が蓄積されにくく、毎日継続することが前提となります。研究において効果が確認された最短期間は8週間(約2ヶ月)であり、さらに肌や髪の細胞サイクルを考えると3ヶ月継続が目安です。
飲む時間帯は就寝前がよいと聞くことがありますが、特に「このタイミングが最も効果的」という強いエビデンスはなく、「自分が継続しやすい時間」に固定することがもっとも重要です。朝食後でも、夜でも、自分の習慣に組み込みやすい時間帯を選べば問題ありません。
コラーゲンペプチドを過剰に摂取すると、タンパク質の過剰摂取と同様に消化器への負担・腎臓への影響・便秘や下痢を招く可能性があります。1日20g以上を長期間摂り続けることは避け、必要量の範囲内で継続するのが安全です。
市場にはコラーゲンペプチドを謳う製品が数多くありますが、同じ「コラーゲンペプチド配合」という表示でも、品質・分子量・由来・含有量は製品によって大きく異なります。髪やかゆみ・乾燥の改善を目的にするなら、購入前に確認しておくべきポイントがあります。
① 由来は「魚由来(フィッシュコラーゲン)」が特におすすめ
コラーゲンペプチドには牛・豚・鶏・魚の4種類の動物由来があります。魚由来(マリンコラーゲン)は分子量が小さく吸収が速い点で優れており、近年の研究(2022年・韓国のマウス実験)でも魚由来の低分子コラーゲンペプチドが発毛促進経路(Wnt/β-カテニン経路)を活性化することが確認されています。植物アレルギーではなく魚介アレルギーがある場合は注意が必要ですが、一般的には豚・牛由来より低カロリーで吸収率が高い傾向があります。
② 分子量の記載があるか確認する
低分子(500〜1,000Da程度)であるほど消化吸収が有利とされています。パッケージに「低分子コラーゲンペプチド」「加水分解コラーゲン」「ハイドロライズド・コラーゲン」と記載されているものを選ぶと安心です。
③ 1回あたりの含有量を確認する
研究で効果が確認されているのは1日5〜10gです。製品のパッケージに記載されている「1回あたり〇mg」を確認し、必要量に足りているかを計算しましょう。「コラーゲンペプチド100mg配合!」のような低含有量商品は、どれだけ飲んでも研究が示す有効量に届かない可能性があります。1,000mgは1gですので、5,000mg(5g)以上が1回または1日の目安になります。
④ 添加物・甘味料の確認
一部のコラーゲンドリンクには、飲みやすくするために大量の砂糖・人工甘味料・着色料が含まれています。これらが頭皮のかゆみや炎症の悪化につながる可能性も否定できないため、余分な添加物が少ないシンプルな製品を選ぶことが望ましいです。
⑤「17型コラーゲン配合」表示には注意
先述のとおり、17型コラーゲンは毛包細胞表面に結合してのみ機能するものであり、経口摂取しても同じ働きをするわけではありません。東京大学医学部の研究グループも「一般的なサプリや化粧品の17型コラーゲン表示は学術的根拠が薄い場合がある」と注意を促しています。「17型コラーゲン」を大きく打ち出す製品の誇大表示には注意が必要です。
コラーゲンペプチドを選ぶ際のチェックリストをまとめると、①魚由来であること、②低分子であること、③1日5g以上摂れる含有量であること、④余分な添加物が少ないこと、の4点が基本になります。
▶ 魚由来低分子コラーゲンペプチドの発毛効果に関する研究論文レビュー(fishprotein.net)
▶ 東京大学「17型コラーゲン」に関する化粧品・健康食品等への注意情報

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