

かゆみを伴う乾燥肌には、保湿が基本と思っていませんか?でも実は、保湿クリームを傷口やジュクジュクした部位に塗り続けると、症状が悪化して皮膚炎になることがあります。
パスタロンM20%PLUSは、佐藤製薬が製造・販売する第3類医薬品のクリームです。かかとのガサガサや手指の角化症、老人性乾皮症などに使われる、尿素20%配合の乾燥性皮膚治療薬として知られています。
価格については、同社の後継モデルとなるパスタロンM20αが100g入りで希望小売価格2,420円(税込)と設定されており、ドラッグストアや通販では1,480円〜2,250円(送料別)程度で流通しています。PLUSという名称の旧シリーズはやや流通量が少なくなっており、Amazonや楽天市場での中古・在庫品として見かけることがある一方、主流はαモデルへと移行しています。つまり市場の主流はM20αということです。
通販を利用する場合、送料込みの合計コストに注意が必要です。たとえば楽天市場では本体価格1,480円でも送料770円が加算され合計2,250円になるケースがあります。まとめ買いセットや送料無料条件のある店舗を選べば1本あたりの実質コストを下げられます。これは使えそうです。
以下に主な入手先と実勢価格をまとめました。
| 販売先 | 内容量 | 実勢価格(税込) |
|---|---|---|
| ドラッグストア(鶴羽堂など) | 100g | 約1,848円〜2,420円 |
| 楽天市場 | 100g | 約1,480円(+送料770円) |
| ヨドバシカメラ(M20αα) | 100g | 約1,550円(送料無料) |
| Amazonなど | 30g | 約800円〜900円前後 |
初めて試す場合は30gサイズがちょうど良い判断基準になります。かかとや手指など一部位を2〜4週間使い続けてみて、肌質に合えば100gの大容量タイプに切り替えると経済的です。
パスタロンの公式製品情報(佐藤製薬)はこちらで確認できます。成分・効能・用法が正式に記載されています。
パスタロンM20%PLUSの核となる成分は、天然保湿因子「尿素」を20g(100g中)という高濃度で配合していることです。尿素には大きく2つの作用があり、一つは硬くなった角質を溶かして柔らかくする「角質溶解作用」、もう一つは水分を引き込んで皮膚にとどめる「水分保持作用」です。
乾燥によるかゆみは、皮膚の水分量が不足してバリア機能が低下し、外部刺激に過敏になることで起こります。尿素クリームは、この乾燥バリア崩壊を保湿力で補うことが主な目的です。20%という高濃度であるため、かかとの分厚い角質(鏡餅のようにごわごわした状態)や、ひじ・ひざのザラつきにも浸透しやすい設計になっています。
さらにPLUSおよびその後継αシリーズには、尿素以外にも以下の有効成分が加わっています。
| 成分名 | 働き |
|---|---|
| トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE) | 血流促進・新陳代謝向上 |
| グリチルリチン酸二カリウム | 炎症を鎮め、荒れた皮膚をケア |
| γ-オリザノール | 皮脂分泌を促して内側から乾燥を防ぐ |
グリチルリチン酸二カリウムは甘草由来の抗炎症成分で、かゆみを伴う軽度の炎症を鎮める働きがあります。γ-オリザノールは米ぬか由来の成分で、皮膚自身の皮脂分泌を促す珍しい成分です。つまり「外から補う+内から分泌を促す」の二方向で乾燥をケアするということです。
保湿の持続性を高めるため、グリセリン・ワセリン基剤にヒアルロン酸も配合されており、塗布後もしっとり感が続くよう設計されています。べたつきが少ない点も、日常使いしやすいポイントの一つです。
尿素クリームの保湿・角質溶解の仕組みや、ヘパリン類似物質との使い分けについては以下のページで医師が詳しく解説しています。
尿素クリームの効果や副作用について医師が解説(ウチカラクリニック)
使い方のポイントは「清潔・すり込む・風呂上がり」の3点です。患部を清潔にしてから1日数回、クリームをよくすり込むように塗布します。特にお風呂上がりは角質が水分を吸って柔らかくなっているため、尿素の浸透率が高まるもっとも効果的なタイミングです。
かゆみが出ている乾燥肌に使う場合、ポイントが一つあります。それは「患部の状態をよく確認してから塗る」ということです。皮膚が赤く腫れていたり、ヒリヒリと熱感があったり、ジュクジュクしているような炎症が強い状態では、尿素の角質溶解作用が炎症部位にまで届いて強い刺激を与えることがあります。これは注意が必要です。
お風呂上がりに塗り、就寝前に追加で塗布するルーティンが習慣化しやすい方法です。特にかかとの場合、塗った後に薄手の綿製靴下を履いて寝ると乾燥を防ぎながら保湿効果を閉じ込められます。ただし、ラップで長時間密封する「密封療法(ODT)」は、自己判断で行うと過剰な刺激になる場合があるため、医師の指示なく行うのは避けましょう。
かゆみ症状が強い場合、乾燥だけが原因ではない可能性もあります。アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎による炎症性のかゆみには、ステロイド外用薬が必要なことがあります。パスタロンを2週間使っても改善しないなら、皮膚科への相談が条件です。
以下に正しい使用手順をまとめました。
尿素20%という高濃度は効果が高い反面、使う場所の状態によっては逆効果になります。これが、かゆみで悩む人が特に注意すべき落とし穴です。
副作用として報告されている症状には、ぴりぴり感・熱感・痛み・発赤・かゆみ・かさぶた状の皮膚はがれなどがあります。これらは軽度であれば経過観察でよい場合もありますが、症状が強まる場合は直ちに使用を中止してください。皮膚科医か薬剤師への相談が原則です。
特に「絶対に使ってはいけない状態」は以下の通りです。
また、「使用後は長時間直射日光に当たらないでください」という注意が添付文書に記載されています。外出前の塗布には注意が必要です。日中に手や腕に塗ってそのまま外出する場合は、帽子や手袋などで保護する工夫が安全です。
薬剤師や登録販売者に相談すべきケースとしては、医師の治療中の方、過去に薬でアレルギーを起こした方、湿潤・ただれがひどい方が挙げられます。
副作用の詳細と禁忌事項の根拠は以下のKEGGデータベース医薬品情報で確認できます。添付文書内容が掲載されています。
パスタロンM20%プラス 添付文書情報(KEGG医薬品データベース)
パスタロンシリーズにはいくつかのラインナップがあり、「どれが自分に合うか」を整理しておくことで、選択ミスによる無駄な出費を防げます。結論はシリーズの違いを把握することが大切です。
まず大きな違いは尿素濃度です。10%と20%では角質溶解力に差があり、かかとや肘膝のようにかなり分厚くなった角質には20%が適しています。軽い乾燥肌には10%のほうが刺激が少なく使いやすい場合もあります。
次に、剤形(クリーム・軟膏・ローション)の違いもあります。処方薬のパスタロンクリーム・ソフト軟膏・ローションとは別に、市販薬のPLUS・αシリーズはクリームタイプです。軟膏タイプは亀裂ができやすい手湿疹に向いており、ローションは広範囲に塗りやすい特長があります。厚いですね。
市販薬(OTC)と処方薬の価格差も見落とせないポイントです。処方薬の尿素クリーム20%ジェネリックは薬価換算で1本46.5円程度、3割負担なら自己負担は14円程度で入手できます。市販薬は1,500〜2,500円ですから、慢性的に継続使用するなら皮膚科でジェネリックを処方してもらうほうが大幅に安くなります。これは知らないと大きな損です。
以下にパスタロン関連製品の比較表を示します。
| 製品名 | 尿素濃度 | 市販/処方 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| パスタロンM20%PLUS/α | 20% | 市販(第3類) | 炎症を抑えるグリチルリチン酸二カリウム・γ-オリザノール配合 |
| パスタロンM20%(旧製品) | 20% | 市販 | シンプルな尿素+トコフェロール配合 |
| パスタロンクリーム20%(処方) | 20% | 処方薬 | 薬価4.2円/g。3割負担で格安 |
| パスタロンクリーム10%(処方) | 10% | 処方薬 | マイルド。広範囲・敏感肌向き |
| パスタロンソフト軟膏20%(処方) | 20% | 処方薬 | 亀裂ができやすい手湿疹に最適 |
乾燥かゆみで長期的に使い続けることが想定されるなら、皮膚科を受診して処方薬のジェネリックを使うことがコスト面で最善の選択肢になります。市販薬は「処方箋なしですぐ手に入る」というアクセスのよさが最大のメリットです。状況に応じて使い分けるのが賢明です。
処方薬・市販薬の尿素クリームの違いと使い方の詳細は以下でまとめられています。