

ストロング系チューハイを飲むと、体がかゆくなった経験はありませんか?
「ストロング」とは英語で「強い・力強い」を意味する言葉です。酒の文脈では、アルコール度数が高いことを指します。
一般的なストロング系チューハイのアルコール度数は<strong>8〜9%。缶ビール(350ml・5%)と比べると、同じ350ml缶でアルコール量がおよそ1.7倍になります。
たとえばストロング系350ml缶1本に含まれる純アルコール量は約22〜25gです。これは日本酒1合(約22g)とほぼ同等。1缶飲むだけで、日本酒1合分を飲んだのと変わらないということですね。
コンビニで100〜150円台から買える手軽さも相まって、気づかないうちにアルコールを大量摂取してしまうケースが多いです。これが注意すべきポイントです。
ストロングという言葉には「気持ちよく酔える」というポジティブなイメージが先行しがちです。しかし実態は、短時間で血中アルコール濃度を急上昇させるリスクの高い飲み物です。
つまりストロングは「強いアルコール飲料」です。
ストロング系を飲んでかゆくなる原因の多くは、アルコールによるヒスタミン反応と血管拡張にあります。
アルコールが体内で分解されるとき、「アセトアルデヒド」という物質が生成されます。このアセトアルデヒドが皮膚の肥満細胞を刺激し、ヒスタミンを放出させます。ヒスタミンは血管を拡張させる働きがあるため、皮膚が赤くなったり、かゆみを引き起こします。
意外ですね。
特に日本人はアルコールを分解する酵素「ALDH2(アルデヒド脱水素酵素)」の働きが弱い人(フラッシャー体質)が約44%もいると言われています。フラッシャー体質の人はアセトアルデヒドが体内に蓄積しやすく、少量のアルコールでも顔や体のかゆみ・赤みが出やすいです。
ストロング系のアルコール度数が高い分、一般的なビールよりもアセトアルデヒドの産生量が多くなります。かゆみが出やすいのはそのためです。
かゆみが毎回出る場合は、ALDH2の活性が低い体質である可能性が高いです。体質的なリスクと考えるのが基本です。
かゆみを完全に防ぐ方法はありませんが、リスクを下げる飲み方の工夫はあります。
まず重要なのが飲むペースを落とすことです。ストロング系は味がスッキリしていて飲みやすいため、気づかないうちに飲み過ぎてしまいます。1缶を30〜40分かけてゆっくり飲むだけで、血中アルコール濃度の急上昇を抑えられます。
次に、水を交互に飲む方法も効果的です。アルコールの間に水(チェイサー)を挟むことで、体内のアルコール濃度を下げ、アセトアルデヒドの蓄積を緩やかにします。
これは使えそうです。
また、食事をしながら飲むことで胃からのアルコール吸収が遅くなり、かゆみの症状が出にくくなる場合があります。空腹での飲酒は最もかゆみリスクが高いです。
それでもかゆみが繰り返す場合は、アルコールアレルギーや慢性じんましんの可能性もあるため、皮膚科や内科への相談をおすすめします。かゆみが健康のサインであることもあります。
市場に出回っているストロング系チューハイの度数は商品によって異なります。主要な商品を比較してみましょう。
| 商品名 | アルコール度数 | 350ml缶の純アルコール量 |
|---|---|---|
| キリン 氷結ストロング | 9% | 約25g |
| サントリー -196℃ ストロングゼロ | 9% | 約25g |
| アサヒ もぎたて STRONG | 9% | 約25g |
| チューハイ 本搾り | 6〜8% | 約17〜22g |
| 一般的な缶ビール | 5% | 約14g |
ストロングゼロという名前が有名ですが、その「ゼロ」は糖質ゼロ・プリン体ゼロを指しているのであって、アルコールがゼロという意味ではありません。度数は9%です。
紛らわしいですね。
商品パッケージの「STRONG」表示を見たら、アルコール度数8〜9%と覚えておけばOKです。飲む前に度数を確認する習慣をつけることが、かゆみ予防の第一歩になります。
お酒を飲んで顔が赤くなる人を「フラッシャー」と呼びます。実はこのフラッシャー体質は、かゆみだけでなく、食道がんリスクが最大57倍になるという研究結果があります。
これは国立がん研究センターをはじめ複数の研究機関が発表しているデータです。ALDH2の活性が低い状態でアルコールを多量に摂取し続けると、アセトアルデヒドの慢性的な暴露により消化器系の発がんリスクが大きく高まります。
かゆみは体からの重要なシグナルです。
特にストロング系のような高アルコール飲料は、ビールよりもはるかに短時間でアセトアルデヒドを大量に産生させます。フラッシャー体質の方がストロング系を週3〜4本飲み続けた場合、非フラッシャーの飲酒者と比べてがんリスクの上昇速度が大きく違うとされています。
つまり、かゆみはただの不快感ではなく「飲みすぎ警告サイン」です。
参考情報として、国立がん研究センターの飲酒とがんに関するページでは、フラッシャー体質の方への飲酒リスクが詳しく解説されています。
国立がん研究センター:飲酒とがんの関係について(公式)
かゆみが出るたびに「また体質のせいか」で済ませてしまうのは危険です。長期的な健康リスクと向き合うことが、結果的にストロング系との正しい付き合い方につながります。飲むなら量と頻度の管理が条件です。