ウレパールクリーム販売中止後の代替品とかゆみ対策

ウレパールクリーム販売中止後の代替品とかゆみ対策

ウレパールクリーム販売中止で知っておくべき代替品とかゆみ対策

尿素クリームを塗るほど、かゆみが悪化することがあります。


📋 この記事の3ポイントまとめ
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販売中止の時期はいつ?

大塚製薬のウレパールクリーム10%は2025年9月9日に告知、2026年6月1日に販売中止が実施されます。在庫消尽後は出荷停止となり、遅くとも2027年6月上旬には完全終了予定です。

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医療用の代替薬は何がある?

処方薬としては尿素クリーム10%「日医工」や「SUN」などのジェネリック品、またパスタロンクリーム10%・ケラチナミンコーワクリーム20%などが代替候補になります。

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市販で代用できる?

市販品はウレパールクリーム10%とまったく同一ではありませんが、ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリームやウレパールプラスクリームなど近い成分の商品は複数あります。かゆみ止め成分の有無で選ぶのがポイントです。


ウレパールクリーム販売中止の背景と正確なスケジュール

大塚製薬(製造:大塚製薬工場)は2025年9月9日付でウレパールクリーム10%とウレパールローション10%の販売中止を正式告知しました。実施日は2026年6月1日で、現在(2026年3月)はまだ在庫が流通している段階ですが、時間的猶予はほとんどありません。


「在庫消尽後販売中止」という条件がついており、出荷停止の予定時期は2027年6月上旬とされています。つまり、大容量の調剤用500gボトルは先になくなり、チューブ包装の20g・50gも順次終了していく流れです。


驚くべき点は、販売中止の理由が「製品の欠陥」でも「薬効の否定」でもないことです。大塚製薬の公式案内には「諸般の事情により」と記されており、製造継続の採算性や後発品(ジェネリック)の普及が背景にあると考えられています。効果に問題があって中止になったわけではないということですね。


長年使い続けてきた患者さんにとっては突然の話に感じるかもしれませんが、同成分のジェネリック品は複数存在しています。薬価も先発品より安く、治療の継続に支障が出ないよう担当医・薬剤師に相談する準備を今のうちにしておきましょう。


参考:医療用医薬品供給状況データベース(DSJP)のウレパールクリーム10%情報
DSJP|ウレパールクリーム10% 販売中止告知詳細(大塚製薬)


ウレパールクリームが担っていたかゆみ・乾燥へのダブル作用

ウレパールクリームは単なる「保湿剤」ではありません。主成分の尿素10%には、大きく分けて2つの働きがあります。


1つ目は「角層水分保持作用」です。尿素は皮膚の角層に水分を引き込んで保持する性質(吸湿性)を持ちます。乾燥した肌に水分を補い、ガサガサ・カサカサを改善します。これが保湿の役割です。


2つ目は「角質軟化・溶解作用」です。硬くなりすぎた角質をやわらかく溶かしてはがす働きがあります。かかとのひび割れ、魚鱗癬、老人性乾皮症アトピー性皮膚炎の乾燥型など、角化異常が起きている皮膚に強く作用します。これは保湿効果と相乗的に働きます。


つまり2つが同時に働くということですね。この「保湿+角質軟化のダブル作用」が、ウレパールクリームが長期にわたって支持された理由です。


一方で、ここが重要なポイントですが、尿素クリームには「かゆみを直接止める成分」は含まれていません。かゆみが起きている根本原因が乾燥や角化異常であれば改善に向かいますが、炎症を伴うかゆみに対しては逆に刺激感やピリピリ感が増してしまうことがあります。使う場面を正しく選ぶことが条件です。


参考:ウレパールの成分・使い方・注意点について皮膚科医が詳しく解説したページです。


巣鴨千石皮ふ科|角化症治療薬「ウレパール(尿素製剤)」解説ページ


ウレパールクリーム販売中止後の医療用代替薬3選と選び方

ウレパールクリームが処方されていた方がまず確認すべきは「ジェネリック品への切り替え」です。先発品であるウレパールクリーム10%の薬価は3.9円/gですが、後発品の「尿素クリーム10%『日医工』」や「尿素クリーム10%『SUN』(サンファーマ)」は2.9円/gと約25%安くなっています。これは使えそうです。


後発品への切り替えは薬局で変更可能なケースもありますが、処方箋の内容によって異なります。いずれにせよ担当の医師か薬剤師に一声かけてから確認するのが基本です。


次に注目したいのが、同じ尿素製剤カテゴリでも「尿素20%」の代替品です。


- パスタロンクリーム10%・20%(佐藤製薬):ウレパールと同じ角化症治療の適応を持つ。10%は保湿重視、20%はかかと・角化症の軟化重視で使い分けが可能。


- ケラチナミンコーワクリーム20%(興和):尿素20%を含む先発品。かかとや肘膝の硬化した角質に強い軟化作用を発揮する。


- 尿素クリーム20%「SUN」(サンファーマ):ジェネリック品で薬価が低め。広範囲の乾皮症や角化症に用いられる。


注意したい点は、尿素10%と20%では単純に「倍量塗れば同じ」ではないことです。尿素濃度が異なる製品は適応疾患や刺激感も変わります。勝手に変更せず医師に相談する、これが原則です。


参考:尿素クリームの先発品・後発品の薬価・成分比較が一覧で確認できます。


KEGG MEDICUS|尿素含有外用薬 商品一覧・薬価比較


ウレパールクリームの市販代替品と「かゆみ止め成分配合」の違いを知る

処方なしで手軽に入手したい場合は、市販の尿素クリームが選択肢になります。ただし、ここで注意が必要です。


市販品のウレパールシリーズと医療用のウレパールクリームは、名前は似ていますが成分が異なります。大鵬薬品が販売する「ウレパールプラスクリーム(第2類医薬品)」は、尿素10%に加えてクロタミトンなどのかゆみ止め成分が3種類配合されています。医療用ウレパールクリームに含まれない成分が入っている、ということです。意外ですね。


🔹 かゆみを伴う乾燥肌に向く市販品


| 商品名 | 尿素濃度 | かゆみ止め成分 | 分類 | 目安価格 |
|--------|--------|--------------|------|--------|
| ウレパールプラスクリーム(大鵬薬品)80g | 10% | あり(3種) | 第2類医薬品 | 約1,027円 |
| 近江兄弟社メンタームクリームU20 90g | 20% | あり(抗炎症) | 第3類医薬品 | 約488円 |
| ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム 150g | 20% | なし | 第3類医薬品 | 約1,140円 |
| アトリックス尿素10%クリーム 60g(花王) | 10% | なし | 指定医薬部外品 | 約418円 |


選び方の基準は「かゆみを止めたいか、角質を軟化させたいか」のどちらを優先するかです。かゆみが主な悩みなら、クロタミトンやグリチルリチン酸などのかゆみ止め・抗炎症成分を含む商品が向いています。かかとや肘のガサガサを改善したい場合は、20%尿素の成分だけのシンプルなタイプが効果的です。


ただし、皮膚に炎症(赤みや亀裂)がある状態では尿素クリームは刺激になる場合があります。そのような状態のときは皮膚科を受診するのが一番の近道です。これは覚えておけばOKです。


参考:薬剤師監修でウレパールと同成分を含む市販薬を9製品比較しています。


尿素クリームでかゆみが改善しない人が見落としがちな「塗り方」の落とし穴

実は、尿素クリームの効果を十分に引き出すために最も重要なポイントは「塗るタイミング」です。多くの人が「乾いた肌に塗っている」という落とし穴にはまっています。


尿素は水分と結合することで保湿効果を発揮します。乾ききった肌に塗っても、引き込む水分が少ないため十分な効果を得られません。正しい塗り方は、入浴直後や手を洗った直後など「肌がまだ湿っている状態」で塗ることです。


具体的な使用量の目安もあります。指の関節1本分(約0.5g)のクリームで、手のひら2枚分(大人の手のひら約600〜800cm²)の面積をカバーできます。はがきの大きさが約600cm²ですので、はがき1.5枚分ほどの広さが1回の目安です。これを1日2〜3回繰り返すのが標準的な用法です。


次に見落とされがちな点として、塗ってはいけない部位があります。眼粘膜など粘膜部位への塗布は禁止されています。また、傷口・びらん・潰瘍がある部位への直接塗擦も避けてください。この部位に誤って塗布すると、強い刺激感や炎症の悪化につながります。


🔸 尿素クリームを塗ってはいけない部位・状態
- 目や口などの粘膜部分
- 皮膚が破れている、びらんや潰瘍がある箇所
- 激しい炎症や亀裂を伴う部位(刺激感が増す)
- 尿素成分にアレルギー歴がある方


また、長期連用について注意が必要な情報があります。尿素を10%以上含むクリームを長期にわたって使い続けると、角層が分解されて剥がれやすくなり、肌のバリア機能が低下するリスクが指摘されています。バリア機能が落ちると、かえって乾燥しやすくなるという逆効果も起こりえます。痛いですね。医師の処方のもとで使用期間や量を守ることが重要です。


参考:尿素クリームの正しい使い方と長期使用のリスクについて解説しています。


【独自視点】ウレパールクリーム販売中止を機に見直したい「かゆみの原因別ケア」の考え方

今回の販売中止は、長年ウレパールクリームを使い続けてきた方にとっては、自分のかゆみや乾燥の原因を改めて見直すきっかけにもなります。


実は、皮膚科で「かゆみ・乾燥」を訴えた場合、処方される薬はウレパールだけではありません。かゆみの原因によって、適した薬は大きく3つに分かれます。


🔹 かゆみの原因と対応薬の考え方


| かゆみの原因 | 主な状態 | 使われる薬の種類 |
|-------------|---------|---------------|
| 角化・乾燥によるもの | かかとのひび、アトピーの乾燥期 | 尿素クリーム(ウレパール・パスタロンなど) |
| 炎症を伴うもの | 赤み、腫れ、アトピー急性期 | ステロイド外用薬タクロリムス軟膏など |
| 保湿不足によるもの | 老人性乾皮症、冬の全身乾燥 | ヘパリン類似物質ヒルドイドなど)、ワセリン |


ウレパールクリームが適しているのは「角化・乾燥」が原因の場合です。炎症を伴う急性のかゆみには向かない、と覚えておけばOKです。


もう一つ、意外と知られていないのが「ヘパリン類似物質とウレパールの使い分け」です。ヒルドイド(ヘパリン類似物質)は主に「保湿」と「血行促進」が目的で、バリア機能の低下を補う役割を持ちます。一方で尿素クリームは「角質を溶かす」という積極的な角質ケアが強みです。広い範囲の保湿にはヒルドイド、硬化した角質や角化異常にはウレパール系、という使い分けが皮膚科では一般的に行われています。


ウレパールクリームの販売中止を機に、今の自分のかゆみがどのタイプなのかを皮膚科で再確認することは、長期的なスキンケアにとって大きなメリットになります。「同じ薬を続けること」ではなく「原因に合った薬を選ぶこと」が本質です。結論は自己判断より専門家への相談です。


参考:尿素クリームとヒルドイドなど保湿剤の使い分けについて医師が解説しています。


内科らくらくクリニック|尿素クリームの効果や副作用について医師が解説