痒いところを掻くと気持ちいい理由
かゆいところを掻くと無限ループにはまってしまいますよね。
こんなふうに。
かゆいところを掻く
↓
きもちいい!
↓
皮膚が傷んで、新たなかゆみが発生
↓
最初に戻る
この「きもちいい!」がなければ、無限ループを断ち切ることができるのに!
なんで気持ちいいんだこのヤロー!
ってわけで、生理学研究所(NIPS)が調査して、アメリカの学術専門誌、ジャーナルオブニューロフィソロジーに発表しました。
参考)なぜ痒いところを掻くと気持ちが良くなるのか? - NIPSが脳内の仕組みを解明
結果↓
その脳内メカニズムはわかりませんでした。
わからんのかい!
しかし、かゆいところを掻くと反応する脳の部位をつきとめた!
それは、中脳や線条体という箇所。小脳と大脳以外に中脳があったとは!
コイツらが、かゆいところを掻くと、「快感」を報酬として体に与えているんです。
痒さを解消したいという「欲求」が解消されると、気持ちいいと感じる。
これを、報酬系の快感と呼ぶそうです。
とんでもない!
そんな報酬イラネー!
でもまあ、人間の体のことだから、きっと何か意味があるんでしょう。
かゆくても掻かなくなったとしたら、きっと何か困ったことがおきるんでしょう。
皮膚の表面に異常が起きているぞ!削り取れ!的な。
かゆい系分野って命には関わらないので優先順位は低いのかも知れないですが、もっとガンガン研究して欲しいですよね。
かゆみを感じる仕組み
調べてみたところ、かゆみというのは人間の体を守るために必要なものなのだそうです。
人体は、マスト細胞っていう、ヒスタミン(かゆみのモトみたいなやつ)満載の細胞を体中に抱えてます。
こんなふうに使われるんですね。
体内に異物が侵入
↓
マスト細胞活性化!ヒスタミンをまき散らせ!
↓
かゆみ発生
↓
異物を爪などでゴーインにむしり取る
↓
異物排除完了!
一見、よくできた仕組み。
だけど、場合によっては、かゆい&掻くの無限ループに陥ってしまいます。
痒い感覚を調整する研究
痒みという感覚は、脊髄内の細胞で中継されて脳に送られます。ここで、痒い感がある程度抑制されるんですね。
遺伝子操作したマウスで、脊髄内の細胞が通常よりも痒みを感じやすい個体で実験したところ…
毛がふわっと触れただけで、マウスは狂ったように体を掻きむしったのだとか。(怖い実験です)
参考)Gate control of mechanical itch by a subpopulation of spinal cord interneurons | Science
でも、まだまだ実験段階とのことで、人間への応用は出来ていません。
皮膚の掻き壊し対策
寝ている時など、無意識に皮膚をかきむしって、表皮を破壊してしまうことがあります。
皮膚の表面が壊れると、肌の水分が保持できなくなって乾燥し、さらなる痒みを引き起こします。
掻破とか、「皮膚のかきこわし」とか呼ばれる現象です。掻き壊し対策には、何をすればいいんでしょう?
かゆい場所を冷やす
体が温まると、毛細血管が拡張して、痒みを誘発することがわかっています。
単純に、冷やすことで痒みを抑えられます。
濡れタオルや保冷剤で、かゆくなってたまらん!っていう場所を冷やしましょう。
冷えピタを常備しておくといいかも。
爪を短く切る
爪を短く切って、やすりをかけて滑らかにしておけば、かきむしっても肌へのダメージは最小限。
爪が先にあたらないよう、深爪気味に爪を切りましょう。
布手袋着用
寝るとき用に布手袋を着用します。ひっかいても、爪が肌にダメージを与えないようにするんですね。
無意識に手袋を取らないよう、ひっかき防止手袋というものもあります。
↑ベルトがついてて、自力ではそう簡単に取れないようになっています。
背中の皮膚にやさしい(皮膚を掻き壊さない)孫の手もあります。
かゆい部分をガーゼで覆う
外用薬を塗った患部にガーゼをあて、伸縮ネットで固定します。かゆい部分の方をかゆみどめ&保護するわけですね。
掻かずに痒みを止める方法
掻かずにかゆみを止める方法って、ないんでしょうか?
調べてみたところ、、アトピーにはヨーグルトがイイっていう、一見トンデモ説な話が見つかりました。
これが妙に気になったので、突っ込んで調べてみることにしました。