

白くなる日焼け止めを我慢して使っていると、モロモロが出た瞬間からUV効果はゼロになっています。
「白くならない」と書いてある日焼け止めを買ったのに、塗ると顔が白く浮いて見える——この経験をしている人は決して少なくありません。その原因のほとんどは、日焼け止めに含まれる<strong>紫外線散乱剤の性質にあります。
紫外線散乱剤とは、肌の上で紫外線を反射・散乱させてブロックする成分のことです。代表的なものが酸化チタン(Titanium Dioxide)と酸化亜鉛(Zinc Oxide)のふたつ。これらはもともと白い粉末状の素材で、いわば細かいパウダーを肌に乗せているようなイメージです。粒子が荒い製品だと、肌に均一になじまず「白浮き」と呼ばれる白く浮いた状態になりやすくなります。
粒子の大きさは製品によって大きく異なります。従来の製品は粒径が300〜500nmほどあり、可視光線を反射して白く見えていました。一方、近年のナノ粒子技術を使った製品では粒径を100nm以下にまで微細化しており、光の反射が格段に少なくなるため肌に透明に馴染むことができます。100nm以下というのは、ウイルスとほぼ同じサイズ感で、肉眼ではまったく見えないほど小さいものです。
つまり原則です。白くなるかどうかは「散乱剤の有無」ではなく「散乱剤の粒子の細かさ・加工技術」で決まります。
また、塗り方の問題も見逃せません。乾燥した肌に日焼け止めを乗せると、凹凸の上で成分が浮いてしまいムラが生じやすくなります。事前の保湿が不十分な状態では、白浮きしにくい製品でさえ白く見えることがあります。さらに厚塗りも禁物で、適量(顔全体で500円玉大程度)を手のひらで均等に伸ばしてからプレスするように密着させる塗り方が、白浮き予防の基本です。
日焼け止めの白浮き原因と塗り方の解説(ネイチャーズウェイ・研究開発チーム監修)
ドラッグストアや通販で「白くならない」「白浮きしない」と書かれた散乱剤系の日焼け止めは増えましたが、その品質には大きな差があります。実際に白浮きしない製品を見分けるためのポイントをここで整理します。
まず確認すべきは成分表の記載順です。成分表は配合量が多い順に記載されるルールがあります。「酸化チタン」「酸化亜鉛」がリストの後ろのほうに記載されている製品ほど、散乱剤の配合量が少なく白浮きしにくい傾向があります。ただし散乱剤が少なすぎるとUV防止効果も落ちるので、バランスが重要です。
次に注目したいのがナノ化・微粒子化・コーティング加工の記述です。成分名の前後に「微粒子」「ナノ」「表面処理済み」などの表記がある製品は、散乱剤を細かく加工してあるため、白浮きしにくく仕上がりもなめらかです。花王は2024年12月に「紫外線散乱剤内包カプセル」技術を開発し、ウォーターベースでも高いUV防御力と白浮きなしを両立できることを発表しています。これはカプセルの中に散乱剤を封じ込め、肌に塗るとすき間なく膜を形成するという革新的な技術です。
「ノンケミカル」表示には要注意です。UV防止成分に散乱剤だけを使っていても、増粘剤・防腐剤・乳化剤などその他の成分にケミカルが含まれている場合があります。かゆみや肌荒れが気になる人は、全成分リストを確認するひと手間をかけるだけで、肌トラブルのリスクを大幅に下げられます。
白くならないノンケミカル日焼け止めの見分け方(化粧品開発者・岡田伸司監修)
日焼け止めを塗っているときに、消しゴムのカスのような白いモロモロが出てくることがあります。これを「ただの伸ばし方の問題」と軽く考えていると、実は大きな健康リスクにつながっています。
コスメ専門誌『LDK the Beauty』(晋遊舎)の編集部と現役化粧品開発者の共同検証によると、白いカスが発生した時点で、日焼け止めの効果は失われているとのこと。つまりモロモロが出た顔の部分には、もはや紫外線防御は期待できない状態になっているのです。
このモロモロが発生する仕組みはこうです。紫外線散乱剤などの粉状成分が「核」になり、スキンケアに含まれる増粘剤(カルボマーなど)を巻き取ることで白いカスが生まれます。特に以下のような組み合わせでモロモロが出やすくなります。
これは使えそうです。対策として最も効果的なのは、「スキンケアが完全に肌に浸透してから日焼け止めを塗る」こと。目安は化粧水などを塗ってから2〜3分ほど待ち、完全にべたつきが消えた状態にしてから日焼け止めを乗せます。また、こすらず「乗せてプレス」する塗り方に変えるだけでモロモロを大幅に減らせます。
もしすでにモロモロが出てしまった場合は、そのまま外出は危険です。一度洗い流してスキンケアからやり直すか、少なくとも塗り直しをしてください。
肌にかゆみがある人、敏感肌の人、アトピーがある人が日焼け止めを選ぶとき、最初に除外すべきは紫外線吸収剤(ケミカル系)を含む製品です。
紫外線吸収剤の代表成分はメトキシケイヒ酸エチルヘキシル(オクチノキサート)、オキシベンゾン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン)などです。これらは化学的に合成された成分で、紫外線を受けると熱エネルギーに変換して放出する仕組みをとります。白浮きしないというメリットがある一方、アレルギー反応やかゆみを引き起こすリスクがあります。海外では一部の成分が環境(サンゴ礁)への影響として問題視され、ハワイ州では2021年にオキシベンゾンとオクチノキサートを含む日焼け止めの販売が禁止されています。
一方、紫外線散乱剤の代表成分である酸化チタンと酸化亜鉛は、鉱物由来の無機成分で化学反応を起こしません。肌の表面に物理的に膜を作って紫外線を反射するため、肌への刺激が格段に少なく、かゆみが出にくいのが特徴です。
酸化チタンは金属アレルギーを起こしにくく、刺激がより少ないため、特に敏感肌向け製品によく使われます。一方、酸化亜鉛はUVAとUVBの両方をカバーできる幅広い防御力を持ちますが、敏感肌の一部の人には刺激になることもあります。かゆみが強い人、アトピー肌の人は酸化亜鉛フリー・酸化チタンのみの製品を試してみることも選択肢のひとつです。
結論はシンプルです。かゆみを抱えている人は「紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)+散乱剤のみ」の製品を選ぶのが原則です。
製品選びが正しくても、塗り方次第で白浮きが起きることがあります。逆に塗り方を変えるだけで、今まで白くなっていた製品が自然になじむことも少なくありません。かゆみがある人に向けて、刺激を最小限にしながら白浮きも防ぐ5ステップをまとめます。
ステップ1:保湿を先にしっかりおこなう
乾燥した肌は表面が凹凸になり、散乱剤が均一に乗らないため白浮きの原因になります。化粧水・乳液・保湿クリームでしっかりと肌のうるおいを整えましょう。ただし、かゆみがある肌には刺激の少ないアルコールフリー・無香料の保湿剤を選ぶことが前提です。
ステップ2:スキンケアが完全に乾いてから塗る
スキンケアが肌に残っている状態で日焼け止めを重ねると、増粘剤と散乱剤が反応してモロモロが生じます。2〜3分待って、べたつきがなくなったことを確認してから次に進んでください。
ステップ3:手のひらで温めてから乗せる
500円玉大程度(顔全体の量の目安)を手のひらに取り、両手を軽く合わせて体温で少し温めます。テクスチャーがやわらかくなり、肌への密着度が上がります。厚塗りになると白浮きする確率が高まります。これが条件です。
ステップ4:こすらず「置いてプレス」する
額・両頬・鼻・顎の5点置きにし、そこから外側に向けてそっと伸ばします。擦る動作はモロモロを起こすだけでなく、かゆみのある肌の炎症を悪化させる恐れがあります。伸ばした後、手のひら全体で顔を覆うようにプレスして密着させます。
ステップ5:2〜3時間ごとに塗り直す
紫外線散乱剤は汗・皮脂・摩擦によって肌から失われます。塗り直しには、ミストタイプのUVスプレー(散乱剤系)を使うと摩擦が少なくかゆみを悪化させにくいためおすすめです。メイク上からでも使いやすいアイテムを選んでおくと、屋外での塗り直しが苦にならなくなります。
| 手順 | ポイント | かゆみがある人への注意 |
|---|---|---|
| ①保湿 | アルコールフリーの保湿剤を使用 | 無香料・無着色を優先 |
| ②乾燥待ち | 2〜3分待つ | べたつきがなくなるまで待つ |
| ③適量を手に取る | 500円玉大が目安 | 厚塗りしない |
| ④置いてプレス | こすらない | 摩擦は炎症を悪化させる |
| ⑤塗り直し | 2〜3時間ごとに | ミストタイプが摩擦少 |
塗り方がわかれば大丈夫です。日焼け止めが正しく機能するかどうかは、製品と塗り方の両方が揃って初めて成立します。かゆみがある肌ほど、丁寧に手順を踏むことが肌を守ることに直結します。
近年、「ノンケミカル日焼け止め」「紫外線吸収剤フリー」という表示を持つ製品が急増しています。しかしこの表示だけを信じて選ぶと、思わぬ落とし穴にはまることがあります。意外ですね。
まず、「ノンケミカル処方」という表示は統一された定義がありません。UV防止成分(酸化チタン・酸化亜鉛)だけを指してノンケミカルと言っている場合もあれば、全成分を天然・植物由来で構成した本来の意味でのノンケミカルを指す場合もあります。かゆみがある肌の人は、UV成分の部分だけではなく、防腐剤(フェノキシエタノールなど)・合成界面活性剤・シリコーン類・合成香料などもチェックする必要があります。これらは皮膚バリアが弱い人には刺激になり得ます。
また、「白くならない」と「かゆみが出ない」は必ずしもイコールではありません。白浮きをなくすためにナノ化した散乱剤を使う製品については、ナノ粒子が皮膚から体内に侵入する可能性を懸念する声も研究者の間では一部あります(現時点では安全性に問題なしとする研究が主流です)。かゆみや炎症を抱える肌は皮膚バリアが傷んでいることが多いため、より慎重に製品を選ぶ姿勢は持っておきましょう。
一方、明るいニュースもあります。花王は2024年12月、紫外線散乱剤を内包したカプセルをウォーターベースの日焼け止めに配合する新技術を開発・発表しました。これにより、これまで両立が難しかった「高いUV防御力」と「白浮きしない透明な仕上がり」が実現できるようになりました。同様に、資生堂も2025年4月に散乱剤が肌のキメまでムラなくフィットする次世代ミネラルサンスクリーン技術を発表しており、ノンケミカル製品の品質は今後さらに向上していく見込みです。
かゆみを抱えている人にとって、日焼け止め選びは「肌を守るため」であると同時に「かゆみを悪化させないため」でもあります。成分を丁寧に確認し、自分の肌に合った製品を見つけることが、最終的には日々の快適さを大きく変えることになります。
花王による紫外線散乱剤内包カプセル技術の開発発表(2024年12月・花王公式)
資生堂による次世代ミネラルサンスクリーン技術の発表(2025年4月・資生堂公式)

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